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勤務シフト最適化クラウド・サービスOptamoをIBM Cloud上でご提供開始

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勤務シフト最適化を実現するモーション様のOptamo(オプタモ)

株式会社モーション様のOptamoは、勤務シフトのある流通業・サービス業・製造業等のあらゆる現場の勤務シフト作成を自動化するクラウド・サービスです。

勤務シフトを作成する際、マネージャーは各スタッフの能力や職務権限(例:開店時間中は最低1名、チーフ以上が必要)、労務管理上の制限等の制約条件の下、コスト増を回避しながら必要な業務を回すために、多岐にわたる考慮が求められます。

さらにスタッフ毎の希望の休み(希望出勤)を考慮しながら勤務シフトを作成しなければなりません。

Optamoは、この課題にアルゴリズムを使って最適解を導き出し、「誰でも可能な作業」に変えます。

さらには既存のスタッフで本当に業務が回らないと判断すべき時もあり、そうした場合は、速やかに他の現場や事業所のスタッフに応援を求める、さらには募集を掛けるといったことが必要な場合もあるでしょう。Optamoは、こうした状況判断を早め、かつサポート機能も提供しています。

すなわち企業全体でスタッフの「働きたい時間」と「スキル」のシェアを行い、それを有効活用します。

「働き方改革」が叫ばれて久しいですが、Optamoは精神論に頼ることなく、パフォーマンスも落とさない、本物の「働き方改革」をご支援するツールだと思います。

IBM Cloud上でのOptamoのご提供

この度、モーション様のOptamoは、IBM Cloud上でのご提供を開始されることとなりました。Optamoは従来、クラウド環境(稼働環境非公開)でマルチテナントのSaaSとしてご提供されてきましたが、この度、よりカスタマイズされた利用方法をご検討のお客様に対して、シングルテナントで個別環境として構築するメニューを開始されることとなり、これをIBM Cloud上で展開いただきます。

Optamoをシングルテナント環境で実装するメリットとして、パフォーマンスの安定があります。最適化はサーバーに対するCPU負荷の大きな処理で、マルチテナントでのSaaSの場合、ベストエフォートのため、他の利用者の利用時間によっては処理を待たされる可能性があります。ここで安定した最適化処理をお約束出来ることも、Optamoをシングルテナント環境で提供する狙いです。

 

「最適化」とは

Optamoは、「最適化」という技術領域におけるモーション様の高い専門性により実現されています。

「最適化」とは、一般用語としても用いられる言葉ですが、ここでは数理科学の一分野の名称です。様々な制約条件が与えられた時、それをクリアしながら、利益が最大ないしコストが最小となる意思決定(選択肢の組み合わせ)をアルゴリズムにより導出すること一般を指しています。

こういう技術が必要な領域として昔からポピュラーな例として、ある工場の生産ラインで生産可能なA、B、C、3種類の製品がある時、どれをどれだけ生産するかという問題があります。原材料調達や製造設備や工員労働力といったリソースを無尽蔵に利用出来るのであれば、利益率が最も高い製品(ここではAとします)をフル回転で製造したいところです。しかし実際には前述のようなリソースには制約があり、例えばAで多めに使う原材料の調達量に制限がある一方、設備や人員には余力があり、この時AだけでなくB、Cを上手くミックスすることで、リソースを最大活用し、利益の最大化が出来るポイントが見つかる、というものです。

こういう意思決定は、ビジネスは勿論、生活の中でも、皆様大なり小なり頭の中で行っていると思います。それを数学的に解いていくことが数理科学分野としての「最適化」です。

勤務シフト作成に数学的な最適化が何故有用かをご提示するモーション様のチャートを以下に示します。

「最適化」でビジネスを切り開かれるモーション様

モーション様は創業以来、20年以上にわたり、数理科学を応用した独創的なシステムを創られ続けてきました。そして近年、その中でも注力されているのが「最適化」です。今回ご紹介のOptamoは勿論のこと、「最適化」を通じて、社会や企業に貢献するビジネスを展開されています。

Optamo以外のモーション様のユニークなビジネスの例として、安心・安全なオンデマンドの相乗りタクシーをお手頃価格で実現する「ラストマイル相乗りモビリティ togethere」といったサービスも展開されています。

 

機械学習だけでない、ビジネスで活躍するデータ・サイエンスの広がりの可能性

2010年代に入りビジネス界でデータ・サイエンスに大きな注目が集まるようになり、ビジネス・インテリジェンス・ツールや統計解析による意思決定の支援、そしてディープ・ラーニング含む機械学習による自動化が盛んに行われるようになりました。

私は90年代に大学・大学院で経営工学を学んだ者なのですが、近年のデータ・サイエンスへの注目は、90年代よりずっと以前から行われてきた社会やビジネスの課題を数理科学で解決する研究が、いよいよ広く実用フェーズに入ってきたものと見ており、ワクワクしています。

最適化もその最たる例ですが、数理科学が貢献出来る社会やビジネスの課題は、まだまだ開拓の余地があると思います。日本オペレーションズ・リサーチ学会が作成したチャート「ORを探せ!」をご覧いただき、その可能性を感じていただくと共に、もし、「こんな課題が解決出来るのでは」と感じられたことがございましたら、モーション様や私までお気軽にご連絡いただければ幸いです。

 

お問い合わせ先(執筆者)

日本アイ・ビー・エム株式会社
パートナー・アライアンス事業本部
IBM Cloud パートナー・エコシステム開発
軽部 和幸
E-mail:bpcomm@jp.ibm.com
※お問い合わせの際は、「ブログ を見て」とお書き添えください。

 

ご参考リンク:

「Optamo」の情報はこちら
株式会社 モーション の情報はこちら
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会「ORを探せ!」

 

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