IBM Cloud Blog

KMSの変更に伴う、Windowsサーバーでの対応について

記事をシェアする:

日頃よりIBM Cloudをご利用いただきありがとうございます。

IBM Cloud で提供しているWindowsサーバーは、ライセンス認証にKMS認証方式を利用しており、ボリュームライセンスを管理するためにPrivateネットワーク内にあるKMSサーバーに定期的(180日ごと)に接続してライセンス認証が行われます。
最近、長らくWindowsサーバーをお使いのお客様から「『Windows のライセンスの有効期限がもうすぐ切れます』というメッセージが突然出始めた」とのお問い合わせをいただく場合があります。
これはPrivateネットワーク内のKMSサーバーが変わったことに起因し、ご利用中のWindowsサーバーが引き続き以前のKMSサーバーに接続しようとしている結果、ライセンス認証が行えていないことが原因の可能性があります。
また、古いイメージテンプレートを利用しプロビジョニングされたWindowsサーバーも、登録されているKMSサーバーの情報が古いままとなっている可能性があります。

以下に、お使いのWindowsサーバーのライセンス認証状況の確認方法と、再認証が必要な場合の対応手順についてご説明します。

確認方法:
ご利用中のWindowsサーバーの現在のライセンス認証状況を確認するには’slmgr /dlv’コマンドを使用します。またその出力結果より、お使いのWindowsサーバーが認識している「登録 KMS コンピューター名」と「KMS コンピューターの IP アドレス」が確認できます。新しいKMSサーバーと以前のKMSサーバーの登録情報は、それぞれ以下のように出力されます。

コマンド slmgr /dlv

出力内容例抜粋(〇新しいKMSサーバー’kms.service.softlayer.com’を認識している場合)

出力内容例抜粋(×以前のKMSサーバーを認識している場合)

対応手順:
もしお使いのWindowsサーバーが以前のKMSサーバーを認識している場合には、以下の手順に沿って新しいKMSサーバーを登録し、ライセンスを再認証する必要があります。

1.<事前確認> ご利用中のWindowsサーバーのタイムゾーン・時刻設定が正確であることを確認する。

2.<事前確認> 新しいKMSサーバーを名前解決でき、疎通可能であることを確認する。

3.<設定変更> 問合せ先として、新しいKMSサーバーを登録する。
コマンド slmgr /skms kms.service.softlayer.com:1688

補足:このタイミングで、’slmgr /dlv’コマンドでご利用中のWindowsサーバーの現在のライセンス認証情報を確認すると、「登録 KMS コンピューター名」と「KMS コンピューターの IP アドレス」の項目が、新しいKMSサーバーの内容に変更されたことが確認できます。

4.<ライセンス認証> ライセンス認証を試行し、正常終了することを確認する。
コマンド slmgr /ato

KMSの一般的なトラブルシューティングについてのガイドは、以下のMicrosoft社が公開している情報をご参照ください。
[キー管理サービス (KMS) のトラブルシューティングに関するガイドライン]
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/activation-troubleshoot-kms-general

著者: IBM Cloud テクニカルサポート

More IBM Cloud Blog stories

【NTTコミュニケーションズ様との共同実証報告】AI時代のネットワーク運用高度化に向けた取り組み

IBM Cloud Blog, オートメーション

システム障害と聞くだけで緊張してしまうのは私だけでしょうか?心理的にも体力的にも負荷が高いこの仕事をAIによって、なんとか楽にならないのか、と誰しもが思っています。そこで、IBMのAIによる運用支援ソリューションであるA ...続きを読む


IBMテクノロジーをフル活用しサービス競争力を大幅に向上させた、証券会社向けサービス「KICSクラウド」とは?

IBM Cloud Blog, IBM Partner Ecosystem

光世証券株式会社(以下、光世証券)は、証券業務を行う事業者向けに、証券基幹業務システムをクラウドで利用できる“KICS クラウド”の提供を開始することを発表しました。KICSクラウドはIBM Cloud環境で稼働している ...続きを読む


700社が効果を実感!コンテンツマネジメントシステム(CMS)を用いたWebサイト運用における課題への最適なアプローチ

IBM Cloud Blog, IBM Partner Ecosystem, デジタル変革(DX)

近年、PC、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなど、デバイスの多様化により、それぞれのデバイスに適した形で情報を配信することや、ユーザー毎に最適な情報を出し分けた配信というものが求められ、Webサイトの管理や更 ...続きを読む