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IBM Future Design Lab.がワーケーションを真正面から見つめてみた

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きわ〔きは〕【際】

あと少しで別のものになろうとするぎりぎりのところ。境目。また、物の端。 | 小学館 デジタル大辞泉より

 

IBM Future Design Lab. (以下「FDL」)有志メンバー8名を中心に、静岡県浜松市天竜区で「ワーケーションしながら未来の働きかたについて考える」ダイアログ・ツアーが行われました。

今回は、2泊3日の間に現地で行われたアクティビティーのいくつかと、そこで交わされた対話の一部をご紹介します。

天竜浜名湖鉄道 車両基地の転車台(別名「ターンテーブル」)にて

 

● そもそもワーケーションとは

最初に、ワーケーションについていくつか確認しておきましょう。

「work(ワーク)」と「vacation(バケーション)」からの造語で、旅行先でリモートワークを行うことを意味しています。観光庁でも「新たな旅のスタイル ワーケーション&ブレジャー」としてワーケーションに補助金を出す流れもあり国も支援をしている新たな働き方のスタイルです。

 

しかし一方で、約半年前の調査では導入した企業は3.5%に過ぎなかったこと、そして普及の壁となっているのが、主にワーケーションにおける労務管理や生産性などの課題であることが指摘されています。

また、我われが浜松に滞在している間にリリースされた12月17日の日経記事では、ワーケーションではなく「テレワーク」に主眼を置き生産性向上を目指す茅野市×森ビルなどの取り組みも生まれてきています。

8割以上がまだワーケーションの導入を検討したことがない。ワーケーションのポジティブイメージは「ワーク・ライフ・バランス向上」、ネガティブイメージは「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」

ワーケーション×ウエルネス 森ビルなど、記者が体験

 

● FDLワーケーション・ダイアログ・ツアー

ここからは、FDLのワーケーション・ダイアログ・ツアーの様子をご紹介します。でもその前に、FDLとはどんな組織なのかを簡単にお伝えさせていただきます。

“各界の有識者やトッププレイヤーとともに未来を見据え、論点を提起していく中で、業界の枠を超えてより良い社会の創出に努めます。また、実践者とのトークイベントでは、考えるべき未来についてトピックを抽出し、業界の最前線で活躍する第一人者やキーパーソンと、具体的な事例を交えて課題を真摯に受け止めながら、必要なアクションを紐解いていきます。”

より詳細かつ広範な説明は、ぜひ下記のページでご確認ください。

→ IBM Future Design Lab. | テクノロジーがもたらす新しい社会のあり方をともに考え、共創し、発信する

 

それでは、今回FDLとコラボレーションいただいた、有識者、実践者、キーパーソンたちとの活動を写真を中心に振り返っていきます。


 

・ 「KAReN HaMaNaKo かんざんじ荘 ウェルネスワーケーション」プログラム紹介

プログラミングも打ち合わせも、お風呂も食事も、浜名湖の大パノラマを一望しながら!

2021年9月13日にグランドオープンした浜松市西区の体験型多用途施設「かんざんじ荘」にて、聖隷福祉事業団と連携して進められている「ウェルネスワーケーション」の狙いをご紹介いただきダイアログ。

はたして、企業は社員にウェルビーイングを提供できるのか?

 

・ シン・エヴァンゲリオン視点の自然とテクノロジーの共存を考える @天竜二俣駅(第3村)

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』4部作最終作のメイン舞台である天竜二俣駅の第3村診療所にて、森ビル都市開発本部の矢部部長による「サイバーとフィジカルが融合したSociety 5.0なウェルネス.テレワーク」と「その先に見え隠れする流域文化圏」についての講義を聴きダイアログ。

都市と地方をつなぐのはテクノロジー? 資本主義? それとも縄文時代?

 

・ 浜松市天竜区横山町 古民家訪問 「1万円で古民家即決購入してみた」

「車で入っていって大丈夫なのかなこの道…?」と心配になり始めてから5分ほど走った先にありました!!

浜松市天竜区は区域の大部分が森林。過疎化が進行しており、政令指定都市の中では人口・人口密度ともに最少の地区です。そんな山奥に築120年の古民家を購入し、DIYで「遊びの基地化」を進めるYAMAHAのリサーチャー、日比野さんに軒先で餃子や焼き芋を振る舞っていただきながらのダイアログ。

ベルギーから横山町に移り住んで35年の自治会長さんにも飛び入りいただき、ディープなダイバーシティから普遍を考える。

 

・ 「新しいコモンズ(共有)が生まれる場所」 政令指定都市の中にある限界集落のリアルを巡る

「困りごとがあるところにイノベーションが生まれるのであれば、今、最もイノベーションに近いのは中山間地域ではないのか?」 という仮説を胸に、天竜区二俣を中心に「懐かしくて新しい何か」を多方面に仕掛け中の「山ノ舎(やまのいえ)」中谷明史さんに案内いただきながらダイアログ。

人が惹かれ集まる理由は、量よりも質、モノよりもコト、占有よりもコモンズではないのか?

 

この他、多数の番外編は写真でご想像ください。

 

 

 

最終日、改めて3日間を振り返る時間を持ち、それぞれの感想や想い、そしてモヤモヤを改めてシェアするラップアップ・ダイアログ・セッションを行いました。

多くの前向きな意見やアイデアが出た一方で、「感覚の言語化を急ぎ過ぎない方が良いのではないか」という気持ちも共有された時間だったと筆者は感じました。

ここでは、「キワ(際)」という1つのキーワードを紹介するに留めたいと思います。

 

都市と大自然。フィジカルとサイバー。手間とスピード。リモートワークとエッセンシャルワーク。そしてワークとバケーション。

これらのキワは、はたして溶け合い無くなっていくのが好いのだろうか? それともより「キワ立たせる」ことで違う何かが見えて…くる?

 


このダイアログにご参加・ご協力いただきましたすべての方がたに、大きな感謝をお伝えさせていただきます。

 

Special THANKS to:

 

そしてとりわけ大きな感謝の拍手を、たくさんのステキな出会いをアレンジいただいた、株式会社HEART CATCH代表の西村真里子さんに送らせていただきます。本当にありがとうございました!

引き続きFDLシリーズイベント「西村真里子のオニワラ!「鬼と笑おう」〜未来をつくる座談会」でもよろしくお願いします。

 

最後までご覧いただいた皆さま、ありがとうございました。私たちIBM Future Design Lab. の次のアクションにどうぞご注目ください。

 

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TEXT 八木橋パチ

 

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