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チームメンバー・インタビュー #48 小林 航希 営業, Sustainability Software

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チームメンバー・インタビュー #48

小林 航希 営業, Sustainability Software, テクノロジー事業部

サステナビリティ・ソフトウェア(サステナソフト)のチームのメンバーが、テクノロジーと自分自身、過去・現在・未来について語るインタビューシリーズ第48弾をお届けします。今回お話しいただくのは、「自分の番が来るのを楽しみにしていました!」と言う小林 航希(こばやし こうき)さんです。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

もくじ

 

—— 今日はどうぞよろしくお願いします。小林さんは前回インタビューした古川さん、その前の永江さんと同じで今年の春にIBMに入社されたんですよね?

小林: そうです。そして5月入社の僕ら全員が同い年で、3人とも全員が広島出身なんです。偶然にしてはでき過ぎですよね、ビックリしました。

 

—— ええっ、それはすごい偶然! そして小林さんも新卒ではなく転職組ですよね。前職ではどんなお仕事を?

小林: 電子部品の商社で営業職をやっていました。僕が主に扱っていたのはテレビの製造に使われるフィルムやテープです。有機ELテレビをはじめ、最近のテレビやモニターは内部の組み立てにペタペタとたくさんのテープが使われています。外側の枠をすごく薄くできているのもそのおかげなんです。

緊張感を隠せない小林さん

 

—— IBMへの転職はどんな理由からですか?

小林: いくつか理由はありますが、世の中の動きに興味を持ち、新聞などをしっかり読んでいると「テクノロジーが社会を動かしているんだな」と感じる機会が増えていきました。それが最初のきっかけですね。そこからソフトウェアに関心が向くようになりました。

 

—— なるほど。とは言ってもソフトウェア会社はたくさんあります。なぜIBMを選んだのでしょう?

小林: 実は、IBMというよりも、サステナソフトという事業部に強く惹かれたんです。ブログで発信されている情報をきっかけに興味を持ち、求人要項を見てみたら、「日本の製造業をしっかり支えていこう!」という力強いメッセージが書かれていて、その内容に共感しました。

それになんだか、人も、製品も、すごく楽しそうだったんですよね。

 

—— その言葉はとっても嬉しいです。具体的にはどのような部分ですか?

小林: ブログの記事ではサステナソフトで働いているIBMの人たちがステキだなと思いましたし、MaximoELMをはじめとした製造業の現場を支えるソフトもすごく重要なものだなと思いました。

それから、ブロックチェーンを用いたサプライチェーンの透明性を高めるソフトだとか、Enviziのように環境保全とビジネスを両立させるためのソフトとかにも強く惹かれました。

 

—— 小林さんの中では「環境保全」というのは大きなテーマなんですか?

小林: いや、それほど詳しいわけではありませんし、特に何か活動しているわけでもないです。でも、サステナソフトで働くようになってからは、「自然に優しい有機物をベースに新素材を開発」というようなニュースを目にしても、「本当にそうなのだろか? 有機物を使ってはいても、製造や流通過程でむしろ二酸化炭素の排出量を増やしてしまっているといったことはないだろうか?」といったことが気になるようにはなりました。

そういうことをしっかり可視化していくことは大切なことだと思っています。

引き続きまだどこか緊張感が漂う小林さん

 

—— 実際に転職されてみて、今はぶっちゃけどうですか? 後悔したりしていませんか?

小林: すごく楽しめています! 後悔はまったくありません。

親しい友だちや親に「仕事楽しい?」って聞かれたとき迷いなく「はい!」と即答できるんです。自分でもビックリするくらいです。実際、こんなにも成長できる環境が揃っているなんて想像以上でしたし、「成長しなきゃ!」と思わせてもらえているのは楽しいですね。

 

—— 小林さんにとっては成長できることが楽しいことなんですね。

小林: そうですね。入社直後から「自分を成長させたい!」といつも感じていましたが、入社から3カ月ほど経つと「成長しなければ!」とますます思いが深まりました。

楽しみはそれだけではなくて、自分が興味と可能性を感じている製品について、お客様と会話できていることも喜びですね。ただ、最初は嬉しくて、つい自分が語りすぎてしまって…。徐々にですが、お客様のお取り組み状況やご苦労ごとに耳を傾ける時間が増えてきたと思います!

それから、テクノロジーや経済を通じて、今まで触れることのなかった世の中の大切な部分に気づける経験が多いことも、大きな楽しみの1つですね。

 

—— それはいいですね。ただ、成長を急ぎ過ぎると、それはそれで危うい気もするのですが…焦っていませんか?

小林: ありがとうございます。焦りはないので大丈夫です。担当の業界領域が決まり、さらに研修での学びを通じて、自分の役割がはっきり分かってきたので楽しさが増しているという感じです。

営業という仕事についても「お互いをWin-Winにする『売る』という行為」の意味とか、IBMに来る前の僕にはしっかりと理解できていませんでした。もっと考えを深めなきゃいけない部分があるなと感じました

 

—— それはどんな学びだったんでしょう? もう少し具体的に教えてください。

小林: これはGSS(Global Sales School)という営業研修で学んだのですが、「交渉と譲歩は異なる」ということです。

一つの例として、以前の僕であれば、担当する購買部門のお客様とのやり取りで「100円じゃなくてなんとか95円にならないでしょうか。お願いします」みたいな感じで、卸値についてだけ話していて「95円で成立イコール商談成功」と捉えていました。でもそうじゃなくて、ちゃんと、お互いのためになるものを見つけて提案する。見つけられなければ一緒に探っていくことが営業の役割である、と。

以前からそういう必要性についてはモヤモヤと感じていましたが、研修はそれらを明確にしてくれるものでした。今後は、ぼんやりと「こういうことかな」のままで終わらせるのではなく、根拠を持ってちゃんとお客様に語れるようにならなくてはと考えを改めました。

 

—— 月並みな質問ですが、趣味はなんですか?

小林: どれもありきたりですけど、まずは野球観戦ですね。それからゴルフ、旅行でしょうか。野球に関しては我ながら年々愛が深まっています。

 

—— やっぱり広島出身ということで、広島カープですよね?

小林: いや、それがジャイアンツなんです。広島といっても地域によって案外違うもので、県東部の福山市とかだとカープよりもジャイアンツ戦のテレビ中継が多かったりもするので、小中学生の頃からのファンです。

野球って、シーズンの途中に急に調子を落としてしまったり、打撃フォームの大掛かりな変更に取り組んだりということがあるんです。今となっては、試合そのものよりも、そんなジャイアンツの選手たち一人ひとりの物語を見ているような気もします。

 

—— 深いですね。観戦はお一人で?

小林: 妻と予定が合えば一緒にスタジアムで観ますし、テレビ観戦は全試合観ていると言っていいかと思います。とは言うものの、妻は阪神ファンなんですが。

 

—— なぜか「小林さんはシングル」と思い込んでいました。ご結婚されてもう長いんですか?

小林: いいえ。今年の2月に入籍したんで、まだ1年未満です。

 

—— 新婚さんですね。おめでとうございます。2月に入籍されて、5月に転職…それはきっと、いろいろ大変だったんじゃないですか?

小林: 僕はそうでもないですけど、妻にはすごく大変な思いをさせてしまったと思いますし、すごく感謝しています。だから言うわけではないですけど、「この人と結婚できて本当に良かった!」と心から強く思っています。

実は、去年の12月に前職で東京転勤の辞令を受けて、その後プロポーズしたんです。以前からそのつもりではあったのですが。それを機に、長年暮らした土地を離れて自分に付いてきてくれました。その後、僕はすぐに転職活動を始めることとなったのですが、それに対しても「やりたいことがあって、前向きな気持ちの転職なら応援するよ」って。

僕の都合で引っ張り回しているのに、やりたい放題やらせてもらって…。心から感謝しています。

 

—— それは感謝しなくっちゃですね。ちなみに、もし逆のことが今度起きたらどうします? たとえば、「私もキャリアを追いたい。そのために和歌山で暮らさなきゃならないの。一緒に来てくれる?」と言われたら…?

小林: うーん、それは難しい問題ですね…。僕は今この仕事に惚れているし、どうすれば手放さないでやっていけそうか…。「家族大会議」を開きつつ、上司に相談します。

でも、「どうしてもどちらかを選ばなきゃならない」となったら…今度は僕がついていく番じゃないだろうかと思いますね。

 

—— いいと思います!

(小林さんにおねだりしてご提供いただいた)宮古島でのウェディングフォト

 

—— 小林さんがこの数年のうちに世の中から無くしたいと思っているものはなんですか?

小林: 数年ですか…それであれば「差別」ですかね。

男女差別とか肌の色とか、そういう単なる「生まれつきの違い」に対し、差別したり優位性を誇示したりするのっておかしいですよね。自己努力でどうなるものでもないじゃないですか。

 

—— まったくその通りだと思います。でも、「数年で」無くすのは難しくないですか?

小林: そうですかね? 世の中にはたくさんの課題があると思いますけど、差別は「意識だけ」の問題ですよね? だから、みんなが本気でそれを求めれば、それこそ来年中に無くすことだってできるかもしれないなと思うんです。

 

—— 共感します。どうしてなくならないんだろう。ところで小林さんが差別を意識するようになったのには、何かきっかけが?

小林: 両親の影響が大きいと思います。うちは他のことにはあまり贅沢をさせてくれる家ではなかったのですが旅行だけは別で。小学生の頃から、両親が海外旅行によく連れて行ってくれました。東南アジアに行くことが多かったです。

同い年くらいの子がスラムのようなところで働く姿を目にして、「自分もこの国に生まれていたら、小学校に行く代わりに働かなきゃいけなかったのかも…」とか考えていました。

 

—— ステキなご両親ですね。そのときの感情など、話し合いなどもしていたんですか?

小林: していました。努力しなくても自分の居場所があるということが、人間にとってどれほど尊く有難いことかとか、そのときにすごく意識しましたね。

 

—— それでは最後の質問です。IBMの社員として、あるいはビジネスパーソンとして、小林さんがこの数年のうちに手にしたいものはなんですか?

小林: うーん、なんでしょうか…。そうですね、ちょっと明確なものは思いつかなくて、抽象的な答えになってしまうんですけど「応用力」ですかね。もちろん僕なんてまだまだですけど、それでも昔よりはずいぶん「答えのある問題」は解けるようになってきたと思います。でも「答えを作る力」はまだまだです。

これは一例ですけど、先日東京海上日動様との「産業保安力向上のための保険商品共同開発」というニュースリリースがありましたよね。

「こんなふうに、ビジネスでインフラを安定させることができるのか。より良い世の中に近づける方法があるのか。」と僕はとても驚いたんです。

そして、「もっとお客様にも喜ばれるし社会も前進させることができるサービスを考えたり、提案できるようになりたい。もっと成長しなければ!」と思いを新たにしました。

 

—— 応用力は成長の証なんですね。そしてより良い世の中に近づける力でもある、と。

小林: はい。ちょっと大きなことを語らせていただけば、日本は間違いなく便利な国だと思いますが、なんとなく頭打ち感というか、行き詰まりや焦燥感みたいなものを社会は感じている気がします。

でも…。ありきたりに聞こえるのは分かってはいますが、「もう少し便利」や「もう少し嬉しい」の積み重ねが、「もっと良い世の中」への架け橋なのかもしれないなって思うんです。

 

インタビュアーから一言

どこか硬さが残っている感じでお話しされていた小林さんですが、その表情が完全にゆるくなり、とっても嬉しそうな様子でお話ししていたのが、奥様の話とご両親の話をされているときでした。

自身の成長に対してどこまでも真面目な感じと、「僕、本当に家族が大好きなんです」とご家族の話をされるときの幸せそうな感じのギャップ、とってもいいと思います!

(取材日 2022年12月14日)

 

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