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IDCアナリストが答える、製品開発のデジタル変革 | Vol.3 規制要件とコンプライアンス

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連載シリーズ: IDCアナリストが答える、製品開発のデジタル変革

 

ITおよび通信分野に関する調査・分析・アドバイザリーサービスを行う世界的企業「IDC」のアプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)プログラムの専門家、メリンダ−キャロル・バルー氏が、最新動向調査を踏まえてIBMからの質問に答えます。

 

第3回: 規制要件とコンプライアンス

 

IBMによる質問

製品が「失敗が許されない」ソフトウェア集約型システムに進化する中、企業はどうすれば市場投入スピードに遅れることなく、商業的に可能な方法で、管理と確認の漏れのない製品開発を実行できるのでしょうか?

 

IDC メリンダ−キャロル・バルー氏による回答

開発に対する考え方が「失敗は許されない」というものへと変化していることは、ソフトウェアが生命を預かっていたり、製品そのものの成立条件へと変化したことを考えれば至極当然と言えるでしょう。とりわけ生命に関しては、2度目というものは存在しないのですから。

それでは、失敗が許されない状況において、組織はどのような方法論を用いれば「誤りのないソフトウェア」を手に入れることができるのでしょうか?

政府機関はコンプライアンスモデルを提唱していますが、開発後にコンプライアンスチェックを行う後追いモデルは、製品開発を行う企業にとっては不十分です。コンプライアンスモデルや業界標準に対してはより深い検討や協議が必要でしょう。

 

組織にとって重要なのは、コンプライアンスや開発標準がプロセスに組み込まれていて、何がどのように適切に行われ規制を満たしているかを示せることです。

そのためには、監査可能なプロセスが構築されており、それに従っていることが記録されていることを証明できる機能を持った、統合的エンジニアリング・ライフサイクル管理ソリューションを用いるべきです。

 

多くの人が、製品を使用する「ユーザーとしての体験」を通じ、製品に対して完璧な動作を求めるようになっています。そして開発企業に対して、製品の自動化もっと進めて使いやすくして欲しいと望んでいます。

そんなユーザーの声がもっとも開発者に届いていて、「失敗の許されない」方法論で開発されている製品の代表格が自動車でしょう。

自動車は元々は純然たる機械的システムでしたが、それが電気機械的システムとなり、今ではソフトウェア駆動システムへと進化しました。そして人びとの進化を求める声は、自動運転車の登場を求めています。

一方、失敗が許されないことは、混雑した高速道路を時速100キロで走り家族を安全に目的地に送り届けるという必要とされる機能を考えれば明確です。複雑な構成要素からなるシステム・オブ・システムズの故障や誤りは、一切許されません。

 

このように製品のソフトウェア集約型への変化が進み、リアルタイムにIoTデータが用いられるようになると、安全性確保のシステムへの組み込みが求められます。安全性は開発プロセスにおいてもっとも重要となるのです。

組織は、開発プロセスを完全に透明化し、開発状況がリアルタイム性高くシステムに反映されるようにしなければなりません。常に最新のステータスが確認できるようことにより、ライフサイクル全体を通じて最適な意思決定を行えるようになっている必要があるのです。

 


ちょっと待って。これはコンプライアンスを満たしているの?


おそらく、製品が完成した後に、多くの組織が「ちょっと待って。これはコンプライアンスを満たしているの?」と疑問に思ったり、ドキュメントを確認して適切なプロセスが取られていたかを確認したことがあるのではないでしょうか。

そしてその結果、製品完成後にコンプライアンス準拠のために、大掛かりなやり直しやコード変更をすることになったという方もいらっしゃることと思います。

 

製品エンジニアリングチームは、ソフトウェア集約型製品の開発サイクルを通じて完全かつ包括的な視点を確保し、規制要件とコンプライアンスを満たす必要があります。

複雑なシステム・オブ・システムズ環境においてこれを実現するには、製品ライフサイクルの最初から最後まで、コンプライアンスや規制への対応が組み込まれているソリューションを用いる以外に方法はありません。

 

問い合わせ情報

 

IBMのエンジニアリング・ライフサイクル管理(ELM)主要機能

 

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