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[事例] IBM 不動産部門(IBM GRE) | よりサステナブルなオフィスへ

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IBM は、お客様のサステナビリティー目標をビジネス目標の一致を支援するのと同時に、自社のサステナビリティー目標達成に向けたテクノロジー活用を進めています。

この記事では、施設・不動産管理の観点から、IBM Global Real Estate(IBM GRE: IBMの不動産部門)の取り組み事例をご紹介します。

 

不動産をサステナビリティー課題の解決策へ

世界の二酸化炭素排出量のおよそ40%が建物から排出されています。何の手も打たなければ、建物からの温室効果ガス(GHG)排出量は、今後20年間で2倍以上になるであろうと国連環境計(UNEP)は発表しています。

IBMとMorning Consult社の共同調査によると、ビジネスリーダーの62%が、今後2年間に、クリーンエネルギー移行、効率的な廃棄物管理、脱炭素化を推進するための資産、施設、インフラの管理を支援するソリューションへの投資を計画していることが明らかになりました。

 

顧客は、サステナビリティー目標達成への道筋をより確実に、そしてより早めるための、しっかりとした実績を持つソリューションを探しています。そして同時にそのソリューションは運用効率を高めるものでなければなりません。

温室効果ガス排出量の目標を達成するためには、建物と都市は「問題の一部」から「解決策の一部」へと転換しなければならないのです。

IBMは現在、2030年までの温室効果ガスの排出量ネット・ゼロ達成や、2025年まで非有害廃棄物の90%(重量比)を埋立てと焼却処分以外の方法へ転換することなど、一連の環境コミットメントを掲げています。

こうした目標を実現可能なものとしているのが、IBMの不動産および資産管理業務のほぼ全側面において好結果を出し、サステナビリティー目標を達成へと推し進めている、IBM GREが選択したサステナビリティー・ソリューションです。

 

サステナビリティー目標到達に欠かせない第一歩は可視化

ほとんどの企業と同様に、IBMもGHG排出量、水の消費量、廃棄物の削減に取り組んでいます。そして二酸化炭素排出削減目標の達成を確かなものとするために、IBMは「データの最大限の活用」を行い、進捗を追跡、分析、報告しています。

「サステナビリティー目標」への道のりは目に見えづらく、可視化は確固とした足取りに欠かせません。そして日々の業務と意思決定が確実にサステナビリティーと環境の改善につながるよう、正しいデータ取得と分析ができるソリューションは必要不可欠です。

IBM GREが、不動産事業を通じたサステナビリティー実現と、効果的で生産性の高い施設管理に不可欠なソリューションとして選んだのが、施設管理システムのIBM TRIRIGAと、資産管理システムのIBM Maximoです。

 

IBM GREは、およそ100カ国800カ所にまたがる5,000万平方フィート(東京ドーム約100個分)以上の管理対象スペースを管理しています。莫大な規模が意味するのは、変化をもたらし得る巨大な可能性。しかし同時に、巨大な課題でもあります。

IBM GREがまず取り組んだのは、IBMコンサルティングのプロセス専門家と協力し、サステナビリティーデータと運用データを自動的かつリアルタイムに抽出・取得し、より良い意思決定を可能とする実行計画の策定でした。

 

サステナビリティー管理ソフトの選び方

計画策定完了後、IBM GREは、主要な施設や資産に関する一貫したデータ基盤の構築に焦点を当てました。そしてこの「事実の単一情報源」を整備する上で、2つの大きなプログラムを開発しました。

 

1つ目は、IBMのエンタープライズデータ標準化の取り組みとも同期した、データオーナーシップを重視した新たなデータガバナンス・プログラムの構築です。

これは、IBMのチーフ・データ・オフィスとの緊密なコラボレーションにより生まれた成果です。

 

そして2つ目は、Envizi社(現在はIBM社)のサステナビリティー・パフォーマンス管理ソフトウェアを使用し、TRIRIGAとMaximoによる主要データをはじめとしたサステナビリティーデータを、監査可能な単一情報源として統合することを決定したことです。

資産や機器、不動産のデータを自動取得・分析する機能。基盤システム(TRIRIGAやMaximo)との統合のしやすさ。そしてビジネス戦略に役立つダッシュボードベースのインサイト提供機能。これらがIBM GREの判断を後押ししました。

 

不要なエネルギー消費やCO2排出を防ぐ一貫したデータ戦略

データ基盤とデータガバナンスが一貫しているからこそ、そこから生まれる洞察をすぐに日常業務に落とし込むことができます。

一例を挙げれば、データセンターの運用保守にMaximoを使用していることで、IBM GREはセンサーデータを分析した予知保全の推奨にしたがって、定期メンテナンスによる問題発見前に課題を検出し対応することができています。

このように、Maximoによる状態基準保全を実施できていることにより、不必要なエネルギー消費や廃棄・排出物の発生を防いでいます。また、技術者は不必要な修理を省くことができ、これにより出張や部品輸送などの付随的な二酸化炭素排出を回避することができているのです。

 

持続可能な組織に必要なのは、ビジョン実現の実証パートナー

IBM GREの変革はまだ道半ばですが、すでに目覚ましい成果が上がっています。2021年、IBMは基準年2010年に対して61.6%の排出量削減を記録し、2025年までの65%削減目標(買収と売却の調整済み)の達成に向け順調に歩みを進めています。

また、従来使用していたサードパーティツールをIBM Envizi ESG Suiteに置き換えたことで、レポーティング機能を向上させると同時に排出量の報告コストを約30%削減することができました。

 

持続可能な組織の構築には、強力なパートナーシップと共有ビジョンが必要です。

IBMは、模範を示すことで社会と市場をリードし、クライアントと協力してビジョンを現実にします。IBM GREは、これからもその方法を実証していきます。皆様とのコラボレーションの機会を、楽しみにしています。

 


当記事は『IBM journey to more sustainable facilities: IBM as client zero』をリライトしたものです。

 

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