IBM Sustainability Software

フォード社、権威あるITイノベーション・アワードをIBMに贈呈

記事をシェアする:

 

IBM Maximo Visual Inspection プラットフォームが、組み立てライン中の車両から欠陥を見つけ出し、修正を支援。フォード社に「真の価値」を提供。

 

100年以上前、ヘンリーフォードは「品質とは、誰も見ていないときに正しく行うことである」と言いました。しかしこの言葉が述べられた頃と現在では、文字通り「時代が違う」と言えるでしょう。当時、フォードが生産していたのはT型モデルのみ。そしてボディーカラーは黒しかありませんでした。

 

フォード社は2020年、多数のモデルと数十のオプションパッケージからなるラインナップで、年間170万台*の車両を生産しました。製造プロセスのあらゆる側面を「見る」ということが、どれだけ難しいチャレンジとなっているか、想像に難くありません。

それが、フォード社の技術専門家チームが、IBM Maximo Visual Inspectionプラットフォームを導入した理由の1つです。

Maximo Visual Inspectionは、業務改善・生産性向上を実現するAI外観検査ソリューションです。フォード社は、複数の工場にMaximo Visual Inspectionによる複数の検査ポイントを組み込むことで、製造ラインを流れる組立中の車体の欠陥をAIによって検出し、素早い対応を実現しました。

 

コンピューターを活用した外観検査ソリューションは、30年以上前から存在していました。しかし、製造プロセス中に車体の欠陥を検出することは非常に難しいことであり、かつ、その実装は大掛かりで手間や時間、そしてもちろん多くの費用を要するものでした。

ところが、私たちIBMが提供するMaximo Visual Inspectionプラットフォームが必要とするハードウェアは、iPhoneだけです。

フォード社が私たちに注目した最大の理由は、この軽量さと移動容易性でした。たったこれだけの装備で、従業員は誰でもどこでも、顧客満足度を大きく損なう可能性の高い欠陥検出ソリューションを実装することができるのです。

 

フォード社はすぐに、Maximo Visual Inspectionプラットフォームのコンピューター・ビジョン・モデルのトレーニングがいかに容易か、そして素早く展開できるかに気づきました。

そして訓練画像データセットからすばやく学ぶこのシステムが、データサイエンス人材を必要とせず期間もわずかで、その上費用も別ソリューションよりも比較的安く済むことも確認したのです。

多くの従業員に馴染み深いスマートフォンの操作性を活用したAI検査ソリューションは、工場内でもすぐに受け入れられました。

その手応えから、フォード社はすぐに他の工場での導入に踏み切りました。横展開のしやすさもあり、フォード社が大幅な欠陥削減を手にするまで、時間はかかりませんでした。

 

■ フォード社、権威あるITイノベーション・アワードをIBMに贈呈

フォード・ITイノベーション・アワードは、フォードの技術コミュニティリーダーたちが選定する、自社に最も大きな価値をもたらしたイノベーションに対して年に1度送られる賞です。

2021年、フォード最高デジタル&情報責任者のマイク・アメンド氏は、IBMとMaximo Visual Inspectionソリューションにその権威ある賞を授与しました。

 

この賞を授与するにあたり、フォード社の幹部は、デジタルトランスフォーメーションに関するIBMとの話し合いが、AI自動化による品質の向上についての話し合いにつながったことを明かしました。

Maximo Visual Inspectionソリューションは、ライン稼働時および組立時における工場内のプロセスコントロールと品質向上を大きく前進させるものであり、フォード社の「フォールトフォワードなし(欠陥の即時排除)」イニシアチブを支援しています。

これはまさに、フォード社が目的としていた修理および保証コストの削減と顧客満足度の向上を同時に実現するものであり、そしてまた従業員による技術革新へとつながる継続的なプロセス改善でもあります。

このプロジェクトにおけるフォード社と私たちIBMチームのコラボレーションは素晴らしい体験でした。私たちは、フォードのイノベーターたちからなるチームが、Maximo Visual Inspectionの可能性を花開かせるところを直接目にすることができたのです。

 

フォード社のマネージャー兼主任技術者であるスコット・キング氏は以下のように述べています。

「Maximo Visual Inspectionは、IBMの強力なAIの力と、費用対効果が高く設置が容易なエッジデバイス、そしてクラウドへの組み込みによる工場全体での共有の容易さで、これまで以上にお客様に高品質な車両をお届けすることを可能としてくれました。

2022年、私たちはこのソリューションを、新しい電気自動車工場を含む、より多くのプラントとより多くのユースケースに拡大して展開します。」

 

当プロジェクトを通じて、私たちはIBMの大切な信条である「お客様の成功に全力を尽くす」 「価値あるイノベーション」「一人ひとりの責任」を示すことができたと信じています。また同時に、Maximo Visual Inspectionがもたらす価値があったからこそそれを形にできたことも実感しています。

私たちの使命は、データとAIの力を利用して、お客様のインテリジェントな意思決定に役立つリアルタイム予測とビジネスインサイトを導き出すことです。

Maximo Visual Inspectionソリューションをより多くの場所で、より多くのユースケースで実装していくことで、私たちはフォード社とのコラボレーションをより強固なものとしていく所存です。

 

*IHS マークイット CYE 2020 US ライトビークル生産データに基づく。

当記事は『Ford presents its prestigious IT Innovation Award to IBM』を日本のお客様向けにリライトしたものです。

 


 

製品・サービス・技術 情報

 

問い合わせ情報

 

関連記事

四国化工機 | AIもめん豆腐検品システム導入事例

Maximo Visual Inspection | すべてGUIで作るAI画像モデル

AI搭載犬型ロボットが刷新する保守保全の姿 | ボストン・ダイナミクスとIBMの取り組み

 


 

More IBM Sustainability Software stories

職業人としての障がい者(雇用と生業づくり)と社会モデル | 8月5日イベント開催(PwDA+クロス8)

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

  2024年8月5日、日本IBMは虎ノ門本社のInnovation Studioにて、「職業人としての障がい者(雇用と生業づくり)と社会モデル」と題したイベントを開催します。 当記事では、イベント開催の背景や ...続きを読む


視覚障がい者補助「ココテープ」ワークショップレポート | PwDA+クロス7

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

インクルーシブデザイン専門企業「PLAYWORKS」様と視覚障がいがある方たちに虎ノ門のIBM Innovation Studioにお越しいただき、視覚障がいのある方たちが安心して利用でき、周囲の晴眼者たちとの共創を進め ...続きを読む


誰もが自分らしく活躍できる会社へ ~PwDA+ ラウンドテーブル~ | | インサイド・PwDA+8

IBM Sustainability Software

「あなたは自分を卑下しなくてもいいよ。障がいがあったって、社会でそれなりのステータスを持って生きられるんだから。」 「心の調子が悪くて保健室登校をしていたのに、『どうして病気でもないのに保健室にいるんですか』と先生に言わ ...続きを読む