IBM Sustainability Software

脱「炭素」は脱「取引停止」脱「不買運動」 | 環境インテリジェンスで地球と自社の未来を明るく

記事をシェアする:

 

2021年8月に国連機関IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した第6次評価報告書を受け、消費者や投資家をはじめとする多くの人々が、企業の脱炭素に向けた取り組みにこれまで以上に注目しています。

業界を代表する世界的企業の多くは、脱炭素分野でのリーダーシップの発揮が「生き残り」の大きなポイントとなることを理解しており、CO2排出や化石燃料をベースとしたエネルギー使用量削減に関し、世界中で続々と策定される新しいルールに則ったビジネス再構築を進めています。

また同時に、先見の明をもつ企業の多くが、この地球を持続可能にするための変革が過去に類を見ない大きなビジネス機会であるということを捉え、気候変動リスクへの取り組みを着々と進めています。

 

IBMは、企業・組織の持続可能性(サステナビリティー)の目標達成や、気候変動リスクへの取り組みを支援する、AIを活用した環境インテリジェンスのためのSaaSソリューション「IBM Environmental Intelligence Suite(EIS)」を先日発表しました。

IBMリリース | IBM、AIを活用した環境インテリジェンスのためのソフトウェア・スイートを発表

 

 

IBM Environmental Intelligence Suite(EIS)の3つの特徴

  • 気象、気候、運用データ、および環境パフォーマンス管理を統合
  • 企業や組織が洪水や山火事などの気候リスクを予測して対応するのを支援すると同時に、回復力向上と持続可能性の目標達成を支援する洞察の提供
  • 世界経済フォーラム発表の、今後10年間の企業グローバルリスク・トップ3に対処

 

EISは、企業や組織が気候変動のリスクを予測し、事業を中断させる可能性のあるリスクにすばやく対応することを可能とする、AI駆動型の環境インテリジェンス・ソフトウェアスイートです。

自社・自組織の地球環境に対する影響評価をより簡単にし、法規制への適合と報告の複雑さを軽減します。


 

IBMの誇る「データ」「技術」「研究」を組み合わせ、価値を最大化

EISが企業に提供するのは、環境リスク管理の合理化・自動化であり、カーボンアカウンティングやCO2排出量削減などの基本的なプロセス操作を可能とすることで、環境目標達成を支援します。

EISは、IBMの誇る「データ」「技術」「研究」の3つを組み合わせ、もっともお客様に価値をもたらすように構成されています。

  • 世界で最も正確な気象予報会社であるIBM提供の気象データ
  • 世界中の企業が評価し利用している高度な地理空間分析データプラットフォーム
  • 世界最大規模の民間企業の研究機関であるIBM Researchが提供するイノベーション

 

EISは、AI、気象データ、気候リスク分析、およびカーボンアカウンティング機能を1つに統合した初のソリューションであり、企業・組織は、複雑・煩雑なデータ収集・整理・分析の労力の大幅削減することができ、カーボンフットプリントをはじめとした持続可能性調査や報告レポートをすばやく作成することができます。

そして節約したリソースにより、これまで以上に、運用の改善対策や洞察を活用したサステナブル経営を実践することができます。

 

関連情報:その企業は「具体的な行動」を取っているか? | 持続可能性と気候危機に取り組むためのソリューション

 

取引停止。脱税疑惑。不買運動…。高カーボン排出企業の未来

それでは、企業の持続可能性への取り組みや脱炭素に向けた行動が遅れた場合には、具体的にはどのような事態が待っているのでしょうか。自然環境の観点からは、冒頭にお伝えしたIPCCの第6次評価報告書には以下のように書かれています。

継続する地球温暖化は、世界全体の水循環を、その変動性、世界的なモンスーンに伴う降水量、降水及び乾燥現象の厳しさを含め、更に強めると予測される

これだけでも社会的大損害・大惨事へとつながる可能性が非常に高いですが、企業や組織にとっても、以下のような最悪の事態が想定されるでしょう。

 

  • 企業不祥事(脱税とコンプライアンス) | 近い将来、炭素税の導入と正確なCO2排出量の公開義務化が実施された際には、不透明なCO2排出量算出はコンプライアンス違反にとどまらず脱税問題となります。
  • 環境アクティビズム対応 | CO2排出情報開示要請と、その内容に対する非難・企業ボイコット、経営陣刷新要求

 

こうした事態を避けるためにも、企業は今から着々と、脱炭素への取り組みを進めていく必要があります。

この後は、EISにより企業が手にすることができるものを見ていきましょう。

 

ビジネス継続性を高度な分析で確保

EISは、AIと気象、気候、運用データを1つに統合したソリューションです。これまで見てきたように、脱炭素への取り組みは企業存続に欠かせないものですが、しかし一方で、脱炭素を達成したとしても対応しなければならないものがもう一つあります。そう、気候危機です。

 

EISはビジネスを中断させかねない気象リスクを予測するだけでなく、迅速な対応あるいは完全な回避に必要なツールを有しています。

  • 地理空間データ、気象データ、およびIoTデータを統合して気候リスクを評価し、不慮の事態に備えます。
  • ビジネスインテリジェンスにより、重要な資産、インフラストラクチャ、および運用の中断を防ぎます。
  • 高度なリスク分析により、サプライチェーン・ネットワーク全体の緊急時対応計画を作成します。
  • KPIを用いて事業運営全体を広範囲に可視化。戦略的意思決定を強化します。
  • 資産、従業員、および顧客に関する高度な分析と洞察で、ビジネス継続性を確保します。

 

EISは、地球の未来を守るのと同時に、企業・組織の持続可能性を高めるソリューションです。

そしてIBMが別途提供している企業の重要資産や社会的インフラストラクチャーのライフサイクル延長を可能とするIBM Maximo Application Suiteや、より持続可能かつ回復力の高いサプライチェーンの構築を可能にするIBM Supply Chain Intelligence SuiteなどとEISを統合することにより、企業はビジネス運営全体の効率を高めることはもちろん、よりクリーンで安心して暮らせる社会の実現に寄与することができるのです。

 

製品・サービス・技術 情報

 

問い合わせ情報


 

関連記事

気候リスクと収益性のバランスの取り方 | 事業継続性と持続可能性を同時に高める事例5社

エネルギーと公益事業 | デジタルトランスフォーメーションがもたらすもの

電力送配電DXレポート 第2回 気象データを活用した国内外の送配電DX事例


More IBM Sustainability Software stories

職業人としての障がい者(雇用と生業づくり)と社会モデル | 8月5日イベント開催(PwDA+クロス8)

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

  2024年8月5日、日本IBMは虎ノ門本社のInnovation Studioにて、「職業人としての障がい者(雇用と生業づくり)と社会モデル」と題したイベントを開催します。 当記事では、イベント開催の背景や ...続きを読む


視覚障がい者補助「ココテープ」ワークショップレポート | PwDA+クロス7

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

インクルーシブデザイン専門企業「PLAYWORKS」様と視覚障がいがある方たちに虎ノ門のIBM Innovation Studioにお越しいただき、視覚障がいのある方たちが安心して利用でき、周囲の晴眼者たちとの共創を進め ...続きを読む


誰もが自分らしく活躍できる会社へ ~PwDA+ ラウンドテーブル~ | | インサイド・PwDA+8

IBM Sustainability Software

「あなたは自分を卑下しなくてもいいよ。障がいがあったって、社会でそれなりのステータスを持って生きられるんだから。」 「心の調子が悪くて保健室登校をしていたのに、『どうして病気でもないのに保健室にいるんですか』と先生に言わ ...続きを読む