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お客様の変革のお手伝いをすることが、日本全体の元気さと豊かさにつながる | 朝田 幸延 Cognitive Applications 営業
2021年04月09日
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チームメンバー・インタビュー #38
朝田 幸延 Cognitive Applications 営業
Cognitive Applicationsチームのメンバーが、テクノロジーと自分自身とIBM、そして過去と現在と未来について語るインタビューシリーズ、38回目の今回は2021年より新たにチームに加わった朝田幸延さんにお話を伺いました。
(インタビュアー 八木橋パチ)
— はじめまして。今日はどうぞよろしくお願いします。いきなりですが、朝田さんにとっての2020年を一文字で表すとしたら?
こちらこそよろしくお願いします。去年の一字ですか…うーん「変」ですかね。やっぱりこれまで経験したことのない変な年でしたから。
去年の夏の初めまでは「あと数カ月もすれば収まるだろう」なんて言ってましたよね、私たち。それがどんどん悪化しながら現在まで続いていて…。「アフターコロナ」なんて言葉も盛んに使われていましたが、まさかあの頃、「アフター」が来ないままに2021年を迎えるとは思ってもいませんでしたよね。結局、いろいろな変化に順応せざるを得なかった。
— そうですよね。たしかに「変」がふさわしい年でした。それでは2021年はどんな一文字にふさわしい年にしたいと思われていますか?
今年は「新」です。まあ毎年新しい年なので「新」ではありますが、そういう意味だけではなく社会全体が新しい一歩を踏み出す年になって欲しいし、自分にとってはCognitive Applicationsという部門に異動して、新しい環境で新たに生まれ変わって頑張ろうということで「新」ですね。
— それでは、簡単に自己紹介をお願いします。
はい。朝田幸延です。IT業界で約30年ずっと営業職をやってきました。20代の頃は日本オリベッティというイタリアに本拠を置くハードウェアの製造・販売会社で、その後30歳になる前に日本オラクルというソフトウェア会社に転職しました。
その後10年経って39歳のとき、日本IBMに転職しました。ずっと製造業のお客様を主に担当してきましたね。
–ハードウェア営業からソフトウェア営業へ。そしてIBMへとだいたい10年単位で転職されてきたんですね。なぜIBMに?
ちょっと格好良く言うと「お客様と同じ汗水を流して、一緒に喜びを分かち合える関係になる仕事をしたい!」と思うようになって、それでIBMへの転職を決めました。
— それまでは、そう言う「喜びを分かち合える関係」からは遠かったということですよね。
はい。これは私見ですが、ソフトウェアって「夢」を売っていると思うんです。「企業が抱えている課題を、ソフトウェア・テクノロジーで解決しましょう」という夢を。
それももちろんすばらしいことですが、実際にはソフトウェアだけで夢を現実化するのは無理です。その先には頭も体も必死に働かせて、その会社の持つ特性や条件に合わせて夢を現実へと変化させる仕事があります。私はそれがしたかったんです。
— 格好いいです! で、実際どうですか? IBMでお客様と喜びを分かち合えていますか?
はい! ただ一緒に汗水流す時間も想像以上に多いですけどね(笑)。
— これまでのお仕事で、強く印象に残っている案件はどんなものですか?
すぐに頭に浮かぶのは、数年前のとある超大型グローバル・プロジェクトです。最終的に採用に至らず悔しい思いをしたのですが、国家レベルとも言える規模の案件を担当者として最前線で経験できたことは本当にありがたく、すばらしい体験でした。
最後の最後まで粘り強く諦めず、周囲の協力を仰ぎながらやりきったこと…。今思い出しても貴重な機会な体験でした。自分の財産だと思っています。
— そうでしょうね。他にもありますか?
もう1つはMojix(モジックス)という広範囲をカバーするRFIDシステムの導入案件ですね。
パチさんはRFIDのことはよく知っていますか?
— いえ。ユニクロさんが少し前から全商品にRFIDのタグを埋め込むようになったこととくらいしか。
そうですか。実はRFIDは、電波を反射してしまう金属の特性から、鉄鋼材やアルミなどの金属に囲まれているような現場だと、電波制御が一筋縄ではいかないんです。
— なるほど。たしかにそれは厳しい環境ですね。そして工場だと通常業務に支障をきたさないように調査や試験を行う必要もありますしね。
そうなんです。この案件のときは、お客様側の担当者の方と私たちIBMのメンバーがみんなで同じヘルメットと安全靴に身を包み、日曜日の朝から空調の止まっている工場の中で文字通り汗水垂らしまくりながら行っていましたね。
そういう経験を積み重ねた上での導入だったので、いろいろなメディアにも取り上げていただき嬉しかったですね。お客様と一緒に喜びました。
— まさに、お客様と同じ汗水を流して喜びを分かち合ったんですね。
はい。私は現場で使われるもの、現場を支援するものに対しての思い入れが強いんです。
もちろん経営を支える基幹システムやバックオフィスを支えるアプリケーションもとても大事です。でも、私自身が強く応援したくなるのは現場です。そして現場で働く人たちを幸せにするシステム導入を支援したいんです。
そういう意味で、今回、人とインフラを同時に支援できるDXプラットフォームのMaximoを中心に営業活動ができるのは嬉しいですね。
— 朝田さんは根っから「人を応援したい人」なんですね。
そうですね。とりわけ「縁の下の力持ち」の人を、ですかね。
今のビジネス、そして社会もそうかなと思っているんですが、一社だけとか一部門だけで完結したり、やり切れる仕事って少ないですよね。ほとんどは部署間や企業間の連携で成立している。で、それを支えているのって、多くの場合実は人だと思うんです。システムももちろんだけど、そこから抜け落ちたりこぼれ出たりする部分は人がどうにかしている。
でも、そういう人にスポットが当たっていない。もっと言えば、そういう人や役割に「気づかないフリ」をしていたりすらする…。パチさんはそんな風に感じませんか?
— 言わんとするところ、分かる気がします…。
— お休みの日は何をされているんですか?
ドライブが好きですね。それでお酒も好きなので、近郊の造り酒屋を周ったりして、知らないお酒に出会い買って帰るのを楽しんでますね。今はコロナの関係でなかなか難しいところもありますが。
それから新しい物好きで、わりとなんにでもすぐに飛びついて、自分で試してみるのが好きです。
— 最近試してみたもので、これはいいなって思ったものは何ですか?
最近だと電気自動車ですかね。先日ホンダのカーシェアサービスで「Honda e(ホンダ イー)」という車を借りてドライブしたんですが、なかなかよかったです「オーケーホンダ。おすすめのワイナリーを教えて」みたいに言うと車が教えてくれたりして。
— へー。知りませんでした。運転してみたいな。
そうでしょ。正直自分で買うには、充電ステーションの数とかを考えるとまだリスクが高過ぎるかなぁとは思いますけどね。
これは私の考えですけど、仕事柄もありますが、やっぱり新しいテクノロジーは、動向を知るだけじゃなくて自分で体験しておきたいんですよね。これから日常に入ってくる技術は特に、自分で試して自分の言葉で語れるようになっていたいと思っています。
— 「自分の言葉で」って重要ですよね。それが信頼感につながると思います。では次は、好きなものではなくて、問題意識を持っている分野って何かありますか?
気になっているのは中小企業の後継者不足、跡取り問題ですね。大切な役割を果たしている、あるいは将来有望な多くの中小企業が、跡取りを見つけられないが故に廃業に追いやられています。
— チラッと耳にしたことがあります。深刻な状況だと。
本来、法人って自然人である人間とは違い、寿命のない存在じゃないですか。必要とされていれば何百年でも行き続けられるのが法人、つまり企業のはずなんです。それなのに必要とされている会社が、受け継いでいく人がいないが故に死んでしまう…。これはとても悲しいことです。
それに、日本の大企業を支える根幹技術やそれを活かした製品って、中小企業が提供していることが少なくないんです。
日本の企業数400万社のうち99.7%が中小企業です。そして日本の就労者人口の7割が中小企業で働いている人たちです。数字的に見ても、中小企業が日本の未来を大いに左右するのは間違いないですよね。
— 詳しいですね。細かい数字がそんなにすぐパパッと出てくるって、すごい!
実は数年前、社会人25年目の節目に中小企業診断士の資格を取ったんです。営業職としてビジネスに関わり続けてきて、自分の経験値やスキルを棚卸ししたくなって、勉強を頑張りました。
— 先ほどの数字もご自身の勉強を通じて出てきたものなんですね。
そうですね。例えばこれまで漠然としか受け応えできていなかった経営に関するお客様のお悩みとか、深く理解できないままでいたお客様からの相談も、中小企業診断士の資格取得を通じてかなり理解が進みましたね。
これまで雑然としていた自分の知識や経験が体系化されて、必要なとき必要な知識や考え方を用いられるようになったと言うか、自分の知識や体験を適切に活かせるようになったと感じています。
— 実際に中小企業の経営者の方々とお話しされる機会も多いんですか?
個人としてということは少ないですが、診断士仲間と一緒にボランティアで相談に乗ることは結構あります。そんな中で感じるのは、中小企業の方がむしろ大企業よりもスピード感を持ってやっているな、ということです。
むしろ今は、大企業がボトルネックになってしまっていると感じる場面、少なくないんですよ。
— ボトルネックは大企業である、と。重たい言葉です。
ボトルネックという言葉は少々辛辣に過ぎると思われるかもしれませんが、大企業がもっと真剣にDXに取り組めば、その会社とやり取りする中小企業の中には、一気に変わる力を持っているところが多いと思いますよ。
これはつまり、大企業が変われば日本企業が変わるということ。大企業が変われば日本は元気で豊かになるってことです。
— 変わって欲しいです! それでは最後の質問です。朝田さんが2035年に見たい景色は?
地球を宇宙から見てみたいです、空飛ぶ車に乗ってね。宇宙までの運転は相当難しいと思うので、やっぱりそこは自動運転にお任せして。
そのときに「ああ、やっぱり地球は青い星だな」って言えるようでいて欲しいです。
インタビュアーから一言
「テクノロジーは社会全体を、そして会社や人びとを幸せにするために豊かにするために存在していると思うんです。だから私もIBMにいるんです。」という朝田さんの言葉に、この人は本当に人が好きで、そういう人たちを応援したいって気持ちが強い人なんだなと感じました。
いつか、おすすめの造り酒屋のお酒をご一緒させてください!
(取材日 2021年1月22日)
問い合わせ情報
お問い合わせやご相談は、Cognitive Applications事業 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
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