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IBM Cloud、貴方に最適なCPUはこれだ!

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 選択の自由が豊富なIBM Cloudのベアメタル・サーバー、インテルCPUも数ある中から選択することができます。しかしながらどのモデルを選んだら良いのだろうか?と思われる方も多いかと思います。今回はIBM Cloudで選択できるインテルCPUについてご紹介し、何を基準に選べば良いのかをIBM 小薗井さん、インテル 土屋様にお話を聞いてみました。

―― まず、IBM Cloudでサーバーを選ぶ際に選択できるインテルCPUはどのような種類がありますか?
( IBM 小薗井さん ) IBM Cloudでご利用いただけるサーバーには仮想サーバーと、物理サーバー(ベアメタル)があります。今回は構成の選択肢が豊富なベアメタルについてご紹介します。ベアメタルで指定できるCPUのソケット数には、1ソケット、2ソケット、4ソケットのものがあります。これらそれぞれで以下のようなCPUを選ぶことができます。豊富ですね。

 1ソケット
  Xeon E3-1270 v6 –Kaby Lake,3.8GHz
  Xeon E-2174G –Coffe Lake, 3.8GHz
 2ソケット
  Xeon E5-2620 v4(16), E5-2650 v4(24), E5-2690 v4(28) –Broadwell, 2.1GHz~2.2GHz
  Xeon 4110(16),5120(28), 6140(36)  — Skylake, 2.1 GHz~2.3GHz
  Xeon 4210(20), 5218(32), 6248(40), 8260(48)  — Cascade Lake,2.2GHz~2.5GHz
  Xeon 6250(16)  — Cascade Lake, 3.9GHz
 4ソケット
  Xeon 5218(64), 6248(80), 8260(96) ,8280(56,112,224) — Cascade Lake, 2.3GHz~2.7GHz
  Xeon 6250(32) — Cascade Lake, 3.9GHz
 *Skylake, Cascade Lakeはそれぞれ第1世代および第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー

上記で括弧内の数字はコア数になります。なのでコア数が多いものが欲しい、例えばVMwareなどの仮想基盤のベースとしてたくさんの仮想サーバーをサポートしたいと言う場合は、コア数が一番多いものを選ぶと良いでしょう。
またCPUの周波数も性能に関しては重要な基準ですね。より高性能を求める用途では、この値もできるだけ高いものを選ぶと良いでしょう。
それとIBM CloudでCPU選択の画面でCPUをマウスオーバーすると、以下のような表記が現れ、CPUの機能だけではなくそれに付随するフィーチャーの有無を見ることができます。こちらの例で現れているモデルはインテル® Optane™ メモリー対応です。インテル® Optane™ メモリーは前々回のブログ”IBM Cloudにも入ってる「インテルOptane」とは?”で紹介されていました。

このCPUを選ぶとアドオンでインテル® Optane™ メモリーを選ぶことができます。

もう一つのポイントは、それぞれCPUの右側に書かれているCPUのコードネームと呼ばれるものです。

―― コードネームって何ですか?
( IBM 小薗井さん ) インテルCPUの世代を表すものです。それぞれのソケット数のCPUの下の方に行くと新しい世代のCPUということですね。BroadwellよりもSkylakeの方がさらにCascadeの方が最新プロセッサーということですね。
コア数をご覧になってお分かりのように世代数が進んでいくとCPUの製造テクノロジーが進んでより微細なトランジスターを作ることが可能になり多くのコア数を搭載できるようになるのです。また周波数も少しずつ上がってますね。
コードネームを見るとインテルCPUの歴史がわかります。

―― インテル® Xeon® プロセッサーの歴史について教えていただけますでしょうか?
( インテル 土屋様 ) 現在データセンター向けプロセッサーの主流となっているインテル® Xeon® プロセッサーですが、その初代製品としてインテル® Pentium® II Xeon® プロセッサー が1998年に登場しました。(コードネームDrake) 2 ソケット以上のプロセッサーをサポートし、Windows、Linux などのさまざまなサーバーOSに対応しました。この頃から、企業での Linux の導入が本格的に始まりました。
2000年代中頃から、Vanderpool Technology(VT)と呼ばれるCPU の仮想化機能がサポートされはじめ、1 つのサーバー上で、複数の OS が動作するようになりました。その後も、メモリー、IO、ネットワークといった仮想化機能が追加され、今日のクラウド基盤を支える重要な技術となっています。
2000年代後半からは、インテル® Xeon® プロセッサーにおいて、信頼性、可用性、保守性の機能が強化され、企業の基幹システムに採用されるようになりました。(コードネームNehalemあたり)
2010年代に入ると、スマートフォンが普及し始め、そのサービスを提供するためのクラウドサービスが大きく成長しました。 インテル® Xeon® プロセッサーは、市場の要求に応えるため、コンピュートのみならず、ネットワーク、ストレージ、セキュリティー機能をより強化し、Software Defined Networking や Software Defined Storage といったソフトウェアの新技術と共に、大規模なクラウドサービス基盤のプラットフォームとして採用されるようになります。また、クラウドサービスと共に、スマートフォンや IoT 機器から取得する膨大なビックデータの活用が広まりました。ビックデータの分析基盤としても、インテル® Xeon® プロセッサーによる圧縮、暗号化などの機能をサポートしたサーバーが活躍しました。
現在では、デジタル・トランスフォーメーションの中で重要な、AI、クラウド、5G、HPC などに必要な演算能力が大幅に向上されています。
このように、インテル® Xeon® プロセッサーは 1998年の登場以来、サーバー、データセンター、クラウド、AI、5G 、HPCといったITの変遷において、市場のニーズに応え新しい機能や技術を提供しながら進化を続けてきました。
次世代インテル® Xeon® プロセッサー(コードネーム Sapphire Rapids) では、クラウドネイティブ・アプリケーションにおいて、高い処理能力と安定した運用を同時に実現するための先進機能が搭載される予定です。

―― CPUの世代が進むごとに新しい機能や技術を提供したと言うことですが具体的にはどのようなものでしょうか?
( インテル 土屋様 ) まず一つは性能ですね。下記は、インテル® Xeon® プロセッサーの10世代にわたる性能向上の図になります。
世代が進むと、コア数や周波数が増えるだけではなく、マイクロアーキテクチャーと呼ばれるコア内部の構造が進化することにより、1クロック当たりに処理できる命令数が増えていきますので、同じバイナリ・コードを動かしても、性能が上がります。また、メモリや IO の帯域も増えることにより、演算処理だけでなく、ネットワークやストレージの処理も高速化され、結果として、データベースや、クラウド基盤としての性能は、更に向上します。

もう一つが特定用途向けのソフトウェア向けの新しい命令を追加している点です。下の図にあるAVXというものがそれに当たります。現在は、インテル®AVX-512 が最新で、AVXや AVX2 と比較しても、性能と電力効率が大幅に向上しています。
ただ、このAVXなどの新しい命令体系は、ソフトウェアが対応していることが必要になります。最近では、コンパイラー・オプションだけではなく、アプリケーション開発者の方が簡単に使えるように、新しい命令体系に対応させた、スクリプト言語のランタイムや、アプリケーションやサービス開発でよく使われるライブラリーの提供に、力をいれておりますので、次回以降、ご紹介したいと思います。

 

さらに、第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー(コードネーム Cascade Lake)では、AIでよく利用される深層学習の高速化にも対応しており、著名なフレームワークでの性能が大幅に向上しています。

―― 最後にIBM Cloud上で一押しのCPUを教えてください。
( IBM 小薗井さん ) やはり最新の世代のCPUをお勧めします。ちょうど今$500ディスカウントのキャンペーンを行なっております。
ベアメタルサーバーも1ヵ月ごとに利用できるのでぜひこの機会に下記の構成のベアメタルサーバーを評価してみませんか。
このCPUは最新のテクノロジーAVX-512にも対応してるCascade Lakeです。

Xeonプロセッサー・ベアメタルの$500 offプロモーション
https://www.ibm.com/cloud/blog/announcements/exclusive-savings-on-intel-xeon-processors-for-ibm-cloud-bare-metal-servers

筆者紹介

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