IBM Cloud テクニカルサポート

問題解決を早めるCASEでの効果的なコミュニケーション方法

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 問題解決を早めるためのCASEでの効果的なコミュニケーション方法について

 

こんにちは、IBM Cloud テクニカルサポートの江富です。

今回は、IBM Cloudテクニカルサポートの中で、みなさんが一番よくご利用になるであろうCASEについて、効果的なCASEでのコミュニケーション方法をご紹介させていただきます。私共の問題に対する考え方を共有させていただき、より皆様の問題解決を早めることができれば幸いです。

 

 

まず、CASEを英語で起票いただく際、頭の中に、英語の考え方をセットいただきたいと思います。

CASEは言語だけで実施されるコミュニケーションですので、言葉に重きを置く英語のスタイルにマインドセットを変更いただくことで、誤解を減らすことができます。

 

日本語は、文の最後にこないと質問の意図がわからないことがありますが、英語では文の最初に質問の意図がわかるようになっていることが多いですね。

→ 依頼・質問事項はCaseの最初に記載します。

 

日本語のビジネス文書は、丁寧なご挨拶に始まり、英語のビジネス文書と比較すると長いようです。

→ 依頼・質問事項は、可能な限り、端的に記載するようにします。

 

日本語は、抽象的な言い方が多いですが、英語では、そのような事は少ないようです。

→ 依頼・質問事項は、ストレートにはっきりと記載します。

Pleaseを記載すれば失礼ではありませんので、ご安心ください。

 

日本語(日本人)は行間を読む文化がありますが、英語では記載のないことを推測する事はないようです。

→ 依頼・質問事項は、具体的に記載するようにします。

 

英語の考え方になんて馴染めない、、、という方にも、もう少し、別の観点でご紹介します。

ポイント1

1つのCaseには1つの話題とし、複数のトピックスを含めるのは避けます。

24時間365日サポート提供させていただくために、複数のサポートメンバーでCASEの対応をしておりますので、誰が見てもシンプルな書き方が問題解決を早めます

また、一時点では1人のエンジニアが対応しますので、関連性のない質問は、複数のCASEに分けて起票いただくと、それぞれ回答を得られるため、まとめてしまうより早く回答を得られる可能性があります。

更新回数が多くなりタイトルと本文が異なるような状況になっているCASEは、内容把握に時間がかかり、質問に正しく回答できない事があろうかと思います。

このような場合、該当のCASEをクローズし、別途、ご依頼されたい事をシンプルに記載した新しいCASEを起票する事をお勧めいたします。

 

ポイント2

問題の多くは変更作業によって生じています。

問題を発見された時、問題発生開始直前になんらかの変更作業(構成・パラメータの変更・アプリケーション側の改修など)がなかったかを確認し、CASEにも記載ください。

IBM Cloud側の変更にて、ご迷惑をおかけしている場合がありますが、お客様側の状況をお伺いできますと、調査/切り分けがスムーズです。

 

ポイント3

CASEに問題を記述する場合は、以下を含めてください。

・発生時刻(タイムゾーンを付加)

・対象デバイス

・事象の内容

・お客様側で実施された切り分けなど、事象を問題と判断した理由

・現在進行中かどうかの区別

・ポイント2に記載した内容

また、事象を説明する付加資料(環境説明、ログやスクリーンショットなど)の添付は、大変有用です。

全てのサポートエンジニアは、現在進行中の問題をいち早く解決して差し上げたいと考えております。しかし、情報が不足している場合には、サポートエンジニアからの追加の質問が発生し、CASEのやりとり(往復)が増え、必然的に解決までの時間がかかることがあります。

 

発生時刻の記載例

時間を記載するときにタイムゾーンを明記いただくと、認識間違いのリスクを低減できます。

× 発生時刻は3月27日の14:22です。

発生時刻は3月27日の14:22(JST)です。現在も問題が継続しています。

発生時刻は3月27日の14:22(JST)です。現在は問題が収束しています。

 

対象デバイスを明確化した例

例1

× Linuxサーバーでyumの実行ができません

仮想サーバーxxxxxでyumの実行ができません

例2

× VPNがつながりません

作業端末からブラウザー( Internet Explorer )を利用し、vpn.tok02.softlayer.comへVPNユーザー(xxxx)を使用して接続していますが、つながりません

 

VPNに関する問題の場合、以下を明記いただくと解決が早まります。

・アクセス方法(ブラウザー/スタンドアロンVPNクライアント)

・アクセス先

・ユーザー名

 

ポイント4

不具合に関するお問い合わせの場合は、再現ステップの記述をしていただくことをお勧めいたします。

その際には、「IBM Cloud Docsのどこを参照しているがうまくいかない」といった情報も有用です。

サポートエンジニアは、お客様の不具合を解決するために、可能な限り、お客様の環境を想定し、御回答したいと考えておりますが、お客様毎に、いろいろなご利用の仕方がありますので、詳細を教えていただけると大変助かります。

その際、お客様システム独自の用語等は使わずに、あるいは使用する場合は、環境説明などを添えていただけますと、適切な回答を差し上げることができます。

 

再現ステップの記載例

× いろいろやっていますが、うまくいきません。

下記のURLの手順は試しましたが、最後のステップで*** というエラーがでます。

https://cloud.ibm.com/docs/services/***/***

 

 

長くなっていますが、あと2つ Tipsをお伝えさせてください。

  • サポートエンジニアは、重大度に応じて、CASEの取り扱いの優先度を決めさせていただいております。

下記のリンク先でご紹介している通り、有償とはなりますが、お客様のシステム環境にふさわしいサポートプランをご利用いただくことをお勧めいたします。

https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/support

 

  • チャットによるご連絡を併用いただけたらと思います。

CASEへの回答を急ぐ必要がある場合には、下記のリンク先でご紹介している通り、CASE起票後に、チャットでCASE番号を明示し、理由とともに早期の回答が必要である旨ご連絡いただくことをお勧めいたします。

https://cloud.ibm.com/docs/get-support?topic=get-support-escalation&locale=ja

 

今回ご紹介した「問題解決を早めるためのCASEでの効果的なコミュニケーション方法」が皆様のお役に立ちますように。

これからも IBM Cloud をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

著者: IBM Cloud テクニカルサポート 江富 真理子


投稿:IBM Cloud Blog Japan 編集部

 

 

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