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IBM Cloud Satelliteで金融サービスレベルのコントロールをあらゆる環境に拡大
2021年11月24日
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IBM Cloud Satelliteは、ベンチマークとなる金融サービスレベルのコントロールをあらゆる環境に拡張し、信頼性の高いセキュリティ、コンプライアンス、リスク管理のコントロールを提供します
ハイブリッドなマルチクラウド・プラットフォームは、単一のクラウド・アプローチと比較して最大2.5倍の価値をもたらし[1]、市場投入までの時間を短縮できる可能性があります。特に、アプリケーションをコンテナ化してインフラに依存しないようにし、パブリックまたはプライベート環境で実行することで、アプリケーションのモダナイゼーションがその価値を引き出す鍵となります。しかし、レイテンシー、データ・レジデンシー・ポリシー、バージョン管理、エンド・ツー・エンドのアプリケーションセキュリティの必要性など、課題は山積しています。
Build Fast. Securely. Anywhere.
IBM Cloud Satellite は、一貫性のあるオンデマンドで完全に管理されたクラウド・サービスを、オンプレミス、エッジ、パブリッククラウド(他のクラウド・ベンダーのものも含む)で実行することで、これらの課題に対処します。これにより、パブリッククラウドの最新アーキテクチャを利用することができます。IBMのPaaSサービス・カタログがお客様の環境に展開され、お客様のデータと一緒に配置されます。その結果、人工知能(AI)、Kubernetes、データベース、セキュリティサービスなどがデータが存在する場所で動作するため、ネットワークレイテンシーが大幅に削減されます。
これらの同じサービスは、Satellite Location を作成したすべての環境で同時に一貫して展開することができます。つまり、環境に関係なく、一貫したバージョン、一貫したアイデンティティとアクセスポリシー、一貫した開発者ツールのセットを提供することができます。これにより、管理が簡素化され、開発者の生産性が飛躍的に向上します。例えば、クラウドのワークショップでは、IBMの開発者とソリューションアーキテクトが顧客のDevOpsチームと協力してアプリケーションを共同開発した結果、市場投入までの時間が 67% 短縮されました[2]。
金融サービスレベルのコントロールをあらゆる環境に拡大
IBM Cloud Satelliteは、ベンチマークとなる金融サービス・レベルのコントロールをあらゆる環境に拡張し、他のクラウド、オンプレミス、エッジなど、どこでも一貫したセキュリティ、コンプライアンス、リスク管理のコントロールを得ることができるようになりました。これにより、IBM Cloud Hyper Protect Servicesを介して業界最先端のKeep Your Own Key(KYOK)暗号化を適用し、以下の機能を含むIBM Cloudサービスで一貫したセキュリティ、監査、イベント・ロギングとコンプライアンス・モニタリングを実現します。
- パブリッククラウドと分散拠点の間で、ワークロードの可搬性を実現し、コンプライアンスに準拠した安全なアプリケーションが構築および実行できる、一貫した開発環境を実現します。
- 分散したワークロードのセキュリティ対策のための更新や管理の負担を軽減します。
- お客様の環境とIBM Cloud Satelliteの間および内部でのデータ移動(特に保護された情報)を強力に制御します。ポリシーとアクセス・コントロールにより、可視性と転送を制限します。
近い将来、分散クラウドの展開において、追加のIBMクラウドサービス、IBMソフトウェア、ISVのソリューションを使用して規制対象のワークロードを運用する機能を盛り込む予定です。
- クラウド、エッジ、オンプレミスのサービス、ソフトウェア、ISVのソリューションを利用して、金融機関が必要とするベンチマーク的なセキュリティおよびコンプライアンス管理を行い、規制対象のワークロードを安心して運用することができます。
- 環境間で一貫して導入されている設定済みのコントロールを使用することで、コンプライアンスコストを削減し、コントロールの開発が分断されることによるリスクを回避することができます。
- クラウド、エッジ、オンプレミスへのリモートアクセスに対して、IAM、ネットワーク、構成管理、暗号化などの包括的なアプローチをとり、現地の法律、NIST、FISMA、および同様の標準機関に対応します。
お客様の成功事例
IBM Cloud Satelliteは2021年3月の発表と同時にレッドドット賞を受賞 (外部サイトへ)しました。この賞は、非常に高いデザイン品質とクリエイティブなパフォーマンスを示したデザイン作品に与えられるものです。すでに、SatelliteとIBMのPaaSポートフォリオのサービスは、さまざまな形で活用されています。
Lumen PlatformとIBM Cloud Satelliteは、ビデオアナリティクスのようなデータ量の多いアプリケーションを、オフィスや店舗などの高度に分散した環境に展開し、1桁ミリ秒のレイテンシーで設計されたインフラを活用することができます。アプリケーションは、Lumenのエッジロケーションの近くからIBM Cloud Satellite経由でRed Hat OpenShift上でホストすることができるため、カメラやセンサーがほぼリアルタイムで機能し、品質や安全性の向上に役立ちます。例えば、カメラは表面が最後に清掃されたかどうかを検出したり、作業員の安全性に関わる可能性を指摘したりすることができます。さらに、データが作成される場所の近くに処理能力を配備することで、地域を問わずお客様はデータ主権に対応することができます。
“当社の企業顧客は、IBM CloudサービスをLumenの堅牢なグローバルネットワーク上に拡張することができ、高いセキュリティと超低遅延が要求されるデータヘビーなエッジアプリケーションを展開することができます。セキュアでオープンなハイブリッドクラウド機能をエッジに導入することで、当社のお客様はビジネスを前進させることができます」 – Lumen社 SVP Enterprise Product Management and Services Paul Saville氏
ドイツのマインツ大学医療センターは、年間約60の診療所で35万人以上の人々に入院および外来診療を提供していますが、IBMと協力して、医療データの安全な交換の促進、COVID-19検査およびワクチン接種の効率化など、臨床プロセスのデジタル化を進めています。
これらのソリューションは、IBMのハイブリッド・クラウド機能とIBMコンサルティング・サービス(IBM Consulting)を通じた業界の深い専門知識を活用して、IBMによって数週間のうちに設計、導入されました。IBM Cloud Satelliteにより、マインツ大学医療センターは、安全かつ効率的にクラウド・サービスにアクセスすることができ、データをオンプレミスのデータセンターに置いておくことで、高いデータ保護要件へのコンプライアンスを維持することができます。ハードウェアとデータは、常に大学医療センターの主権下にあります。今回の提携により、プロセスのデジタル化を迅速に進め、患者ケアの向上に取り組む大学医療センターの目的を達成することが可能になります。
さらに詳しく
- セルフサービスでの体験は、製品ページのデモをご覧ください。
[1] 正しいハイブリッド・クラウド戦略が大規模なアジリティを実現する
[2] ハイブリッドクラウドソリューション
翻訳:IBM Cloud Blog Japan 編集部
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