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予測モデルの構築と予測を、営業系のIBM全社員が実践

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自ら実践した経験は、強い言葉を生み出し、人を動かす。日本IBM社長山口の考えのもと、「経験したことをお客様に薦める企業文化の強化」が社内改革として進んでいる。その具体的な施策の1つとして、日本IBMに所属する営業系の全社員が、「機械学習を使った予測モデルの構築と予測」を自ら実践する機会を先日経験した。本プログラムの基本設計に携わった私から、その概要をご紹介しよう。

 

IBMには、四半期に一度、営業系社員全員が集まる学びのイベントがある。機械学習を経験する機会は、昨年11月のイベントで実施された。営業実務に携わる者に限らず、役員も部長も全ての営業系社員が対象である。

皆が構築した予測モデルは「あなたが担当するその案件、12月末までにお客様から契約頂けるかしら?」その成約確信度を求めるもの。機械学習の基礎を学んだ上でモデルを自作し、その予測モデルに自分が担当する案件情報を入力し、成約確信度を確認し対策に繋げた。予測モデルが提示する確信度に、一喜一憂するゲーム感覚も含めて、楽しみながら経験する機会になったのではないだろうか。モデルの構築には、IBM Cloud上の分析ツールWatson StudioのAutoAI機能を活用した。AutoAIは、学習対象のCSVデータをクラウド上にアップロードし、目的変数列を指定するだけで、後は全自動で高精度の機械学習モデルを生成するツールである。自動化のプロセスには、データ前処理、最適モデルの選定、ハイパーパラメータチューニング、特徴量抽出が含まれている。誰もがAIを使えることを目指す「AIの民主化」をいち早く実践し、その経験をもとにお客様にお薦めする。大切な企業文化である。今回経験したのは営業系社員であるが、今後日本IBMの全社員に対して同じ経験を推進していく予定である。

 

Atsushi Yamada / 山田敦
IBM DE (Distinguished Engineer) / 技術理事
Leader, Data Scientist Profession
IBM Japan

 

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