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アプリケーションのモダナイゼーション: まず最初にすべきこと (Part 1)

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この投稿は、2020年11月11日に、米国 IBM Cloud Blog に掲載されたブログ(英語)の抄訳です。

どのアプリケーションをモダナイゼーションし、どこに配置すべきかを考える

企業には、オンプレミスのデータセンター上で稼働するアプリケーションが、おそらく数百〜数千くらいはあるでしょう。その中には仮想化技術で実行されているものもあると思います。テクノロジーは絶えず改善されているため、これらのアプリケーションの中から、どれをモダナイズする必要があるかを判断する必要があります。

アプリケーションにおける3つのカテゴリー

  • 重要性<高>:  多くのアプリケーションがこのカテゴリーに属します。ビジネスを成功させるには、これらのアプリケーションを動かし続ける必要があります。 5-10年といった長期的には、これらのアプリケーションのロジックやスケーラビリティーをモダナイゼーションすることへの投資を検討します。
  • 重要性<低>:  移行は必要だが、上記のような重要性の高いアプリケーションよりも優先度が低いアプリケーション。
  • 重要性<N/A>: 企業の将来に不可欠な役割を果たすものはモダナイゼーションの対象となりますが、中にはその対象にならなかったり、廃止するアプリケーションも出てきます。これは、モダナイゼーションの進化の過程で起こります。アプリケーションが古いため廃止されたとしてもエンドユーザーはそれに気付かないかもしれません。

クラウド内の重要性の高いアプリケーションをどこで変更するか

特に以下のような分野では、最新の機能を活用して重要性の高いアプリケーションを最新のものにする必要があります:

  • ハイパースケール・クラウド
  • 業界や政府の命令に準拠するための規制クラウド
  • ハイブリッドなマルチクラウドを実行できること
  • それらのソリューションの進歩に伴って進化できること

まず、大至急更新が必要なアプリケーションを、一般的なアーキテクチャーに分類する必要があります。このプロセスは、どのアプリケーションがアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)、ユーザー・インターフェース、またはWebページに最も存在するかを調べます。モダナイゼーションが必要なアプリケーションは、ほとんどの場合、特定のビジネス・アプリケーション統合ポイントでも機能します。これらのアプリケーションの構成要素は、バック・エンド・システムと通信するか、永続化します。

1つか2つの一般的なパターンを共有するアプリケーションを探して移行することにフォーカスしてみましょう。 IBM と RedHat は、移行を実施する際の重要な構成要素について、こうしたアプリケーションの内部を詳細に調べるのに役立つ特定のツールを提供できます。そうすることで、これらのアプリケーションを元のテクノロジーにロックインされないようにすることができます。

開発者エクスペリエンスのモダナイゼーション

仮想化環境、アプリケーション・サーバー、古いプラットフォームのいずれから移行する場合であっても、アプリケーションは、最新のソフトウェア・エンジニアリングとソフトウェアデリバリーライフサイクルのニーズを満たすべきです。この目標は、開発者の経験やアプリケーションを提供する機能とともに、アプリケーションを改善しモダナイズする必要があることを意味します。

特に、最新のクラウド・ネイティブ開発者は、DevSecOpsをアクティビティーの移行に置く必要があります。こうして開発者は、さまざまな機能を本番環境に移動するときに、アプリケーションの使いやすさと回復速度を大幅に向上させることができます。

アプリケーション・インフラストラクチャーをモダナイズするということは、本質的に、次の3つのタスクを実行することを意味します:

  • 開発者の文化のモダナイゼーション
  • 開発者プロセスのモダナイゼーション
  • モダナイゼーションを達成するためのより最新のツールの利用

重要なのはアプリケーションの配置

アプリケーションのチャネルを最新のクラウド・ネイティブ環境(たとえば Red Hat OpenShift)に導入し、開発者のプロセスを改善した場合、次に考慮すべき事項は配置場所です。つまりこれらのアプリケーションの配置をどこで管理および制御するかを決定する必要があります。この点において、ハイブリッド戦略が重要になります。 IBMのお客様は、開発するための低価格で高速なクラウド・ネイティブ環境であるため、パブリック・クラウドであるIBM Cloudを利用しています。

モダナイズされたアプリケーション用にモダナイズされたコンテナを構築し、配置計画の一貫としてセキュリティー・スキャンと脆弱性スキャンを実行します。配置の方法は次の中から選択することができます:

  • 別のクラウド環境を選択し、その上に OpenShift 環境にアプリケーションを配置する方法。
  • ワークロードを規制対応クラウドに配置する方法。IBM Cloud Hyper Protect Servicesを使用すれば、コンプライアンス要件に対応でき、クラウド・サービスのポートフォリオを活用して安全なクラウド・アプリケーションを簡単に構築できます。
  • アプリケーションをオンプレミスや、例えばIBM Cloud Satelliteのような分散クラウドに配置する方法。 IBM Cloud Satelliteは、マネージドの Red Hat OpenShift on IBM Cloud などのIBM Cloudサービスを任意の環境に配置できます。

配置を決定するときは、ビジネスでコードを維持するために必要なアプリケーションと、将来大規模に実行する必要があるアプリケーションを確認する必要があります。これらのアプリケーションはクラウドにある必要がある場合も、オンプレミスにある必要がある場合もあります。最新のアプリケーションに提供するのと同じ水平および垂直スケーリング手法を使用して、この決定を行います。

このブログ投稿のPart2では、モダナイゼーションが必要なアプリケーションを特定するためのヒントを紹介しています。

 

分散クラウドについて詳しくは

分散クラウドについてさらに詳しいことは、こちらもご参照いただけますと幸いです。

  • IBM 分散クラウドお役立ち情報: こちら
  • IBM 分散クラウド Cloud Satellite 公式サイト: こちら

分散クラウドに対するご質問やご相談がございましたら、ぜひ公式サイト(こちら)からお寄せください。


翻訳:IBM Cloud Blog Japan 編集部

*このブログは、2020/11/11に発行された“Application Modernization: What to Do in the Initial Process (Part 1) ”(英語)の抄訳です。


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