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自己教師学習された大規模なニューラル・ネットワーク、つまり基盤モデルは、AIの生産性とマルチモーダル機能を倍増します。推論と常識的な知識をサポートする、より一般的な形式のAIが登場します。

2023

基盤モデルが自然言語処理以外にも進出 2023年には、エンタープライズ基盤モデルのユースケースが自然言語処理(NLP)以外にも拡大します。1000億を超えるパラメーター・モデルは、特注の対象を絞ったユースケースに合わせて運用可能となり、より広範な企業で導入への扉が開かれます。
お客様と世界にとって重要な理由 AI基盤モデルの拡張により、参入障壁が低くなり、ユースケースが拡大します。これによりトレーニングに必要なラベル付けが10~100分の1に削減され、ユースケース全体でのモデルの再利用による効率の向上が実現します。
これを可能にするテクノロジーとイノベーション

事前に構築されたモデル、ワークフロー、ツールチェーン、マルチモーダル・ニューラル・アーキテクチャーは、インダストリー4.0データ、トランザクション、ITおよびセキュリティー・データ、地理空間情報データ、コード、素材などのエンタープライズ・データの基盤モデルを活用します。サーバーレス・パイプラインで開発を加速します。OpenShiftベースのクラウドネイティブ・ミドルウェアを利用して数千のGPUまで拡張できます。

これらのイノベーションを実現するためのプラットフォームまたはインフラストラクチャー watsonxは、watson.data、watson.ai、watson.governanceの3つの要素で提供が開始され、お客様やパートナーが、さまざまなドメインの企業のユースケースに特化したモデルを展開したり、独自のモデルを構築したりすることができます。このインフラストラクチャーには、リソースとトポロジーを考慮したOpenShiftクラスター、ノードとノード内GPU間の高度な ネットワーキングが含まれます。

2024

ガバナンスと信頼がAIに浸透 2024年には、AI基盤モデルのライフサイクル全体にわたって信頼のガードレールと組織レベルでのAIガバナンスを統合します。データ表現は、プライバシー、公平性、説明可能性、堅牢性など全体にわたって最適化されます。
お客様と世界にとって重要な理由 AIのガバナンスと信頼は、基幹業務のユースケースで高度なAIを実現しながら、オートメーションを強化し、AI法規制遵守の品質を向上させ、顧客の信頼を維持することで、大きなビジネス価値を推進します。
これを可能にするテクノロジーとイノベーション watsonxのミドルウェアは、さまざまなAIガードレールを実現します。基盤モデルの信頼ベンチマーク、測定基準、監査、修復機能が開発され、watsonx.governanceに組み込まれます。watsonx.dataの高品質な合成データを監査可能に生成するためのフレームワークを使用します。人間中心のAIエクスペリエンスにより、信頼ポリシーとパラメーター、専門知識を学習し、伝達することが可能になります。
これらのイノベーションを実現するためのプラットフォームまたはインフラストラクチャー AIアクセラレーターや熱効率を高めるラック設計を中心に、最良のサーバーを開発します。サーバーレス・ミドルウェアは、新しいAIアクセラレーターをサポートします。新しいOpenShiftオペレーターは、ワークロードのパフォーマンス、ユーザーの生産性、管理者の柔軟性を向上させます。

2025

AIのエネルギーとコスト効率が向上 2025年には、基盤モデルのトレーニングと推論のエネルギー効率とコスト効率が5倍向上し、2000億を超えるパラメーターの基盤モデルが企業に提供されます。それらはより強力で、便利で、実用的なものになります。
お客様と世界にとって重要な理由 コストを削減し、電力効率を向上させることで、基盤モデルが企業のワークロードにとってより実用的なものとなり、多くの企業のユースケースでの導入が促進されます。
これを可能にするテクノロジーとイノベーション IBM Researchの「Gen 3」コアを活用し、255の仮想機能をサポートするAI推論アクセラレーターにより、AIモデル間の迅速な変更が可能になります。このアクセラレーターに基づくAI推論システムには、電力と冷却のイノベーションが含まれます。
これらのイノベーションを実現するためのプラットフォームまたはインフラストラクチャー watsonxには、GPU、AIアクセラレーター、CPUなどの異種AIインフラストラクチャーをサポートする新しいミドルウェア機能が搭載されます。AIシステムは、新しいAIアクセラレーターを備えたクラウドに展開され、watsonx.aiを通じてアクセスできます。システムとプラットフォームは相互に共同設計され、コスト効率が向上します。

2027

本番環境の基盤モデルがスケーラブルに 2027年まで、同じエネルギー・エンベロープに対して実稼働中の基盤モデル・パラメーターの数は18カ月ごとに2倍になっていきます。トレーニングと推論のエネルギー効率は2025年と比較して4倍向上します。
お客様と世界にとって重要な理由 基盤モデルは、データ量とモデルの複雑さの増加に応じて拡張します。watsonxのフルスタック・インフラストラクチャーは、基盤モデル表現に基づいてエンタープライズ・データウェアハウスをサポートできるようになります。
これを可能にするテクノロジーとイノベーション 新しい基盤モデルとハイブリッド・アーキテクチャーにより、マルチモーダル表現とデュアルタイプ処理が容易になります。アルゴリズムの革新により、トレーニング、適応、圧縮のエネルギー効率が向上します。ネットワークの設計とパフォーマンス、システム・トポロジー、プロトコルが進化します。ハードウェアとソフトウェアは共同設計され、フルスタックに最適化されます。
これらのイノベーションを実現するためのプラットフォームまたはインフラストラクチャー より強力なwatsonx.aiが、AIアクセラレーターと共同設計された新しいニューラル・アーキテクチャーを組み込んだより高度なインフラストラクチャーと、同じエネルギー・エンベロープ内でより高度なモデルをサポートするソフトウェア・スタックで利用可能になります。

2029

信頼できる説明可能なAIが推論を開始 2029年は転換点になります。AIは、説明可能性と信頼性を備えたさまざまな形の推論をサポートします。エネルギー効率は4倍に向上し、スケーラブルで運用可能なAIモデルが企業で日常的に使用されるようになります。
お客様と世界にとって重要な理由 AIとは、基幹業務のユースケースを推進するための、堅牢で説明可能なNLP、テキストを介した推論、知識と信頼できる自然言語の生成を意味します。ドメイン固有のAIモデルのチューニングは10倍高速かつ安価になります。
これを可能にするテクノロジーとイノベーション 推論に基づいた注意機構とネットワーク・アーキテクチャーの進歩により、推論タスク(因果的、象徴的、構成的、常識的など)がサポートされるようになります。推論および学習のアーキテクチャーは、ネットワーク内の学習モジュールと推論モジュール間のシームレスな通信を可能にする表現を通じて統合されます。
これらのイノベーションを実現するためのプラットフォームまたはインフラストラクチャー watsonxは、生物学的ニューロ・コンピューティングの原理に基づいた新しいアーキテクチャーをサポートします。

2030+

完全にマルチモーダルなAIにより、企業の皆様に前例のないスケールを実現 2030年以降は、完全にマルチモーダルなアーキテクチャーが多様なデータ表現を学習し、開発者が複数の抽象化レベルでデータ表現を操作して企業に競争上の優位性をもたらすことができるようになります。
お客様と世界にとって重要な理由 新しい状況や環境を予測し、行動し、計画し、適応できるようになることで、生物学的な脳に基づいた統合ニューラル・アーキテクチャーは、エネルギー消費を削減しながらユースケースをさらに拡大します。
これを可能にするテクノロジーとイノベーション 選択的注意機構の進歩により、柔軟なモデル表現が形成されます。新たなメモリー・エンコードと合理化パス、トポロジー的に正規化されたトレーニング、およびニューロンとニューラル接続の異質性をネイティブにサポートするハードウェア・アーキテクチャーの進歩により、完全なマルチ・モダリティーが使用可能になります。
これらのイノベーションを実現するためのプラットフォームまたはインフラストラクチャー watsonxは、量子コンピューティングを含む新しいタイプの計算を活用します。

*リリースされるすべての情報はIBMの現在の意図を表しており、変更または撤回される可能性があり、目標と目的のみを表しています。

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