社員が語る「キャリアとIBM」

復職後の新たな挑戦を支えてくれている「周囲の理解」

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社員が語る「キャリアとIBM」では、IBM社員のキャリアや仕事内容をインタビュー形式でご紹介します。

今回は、社員向けに実施したアンケート結果に基づき、IBMコンサルティング事業本部のプロジェクト・マネージャー、Y.O.さんにインタビューを行いました。

Q. 現在の所属部署や入社時期を教えてください。

2006年に新卒で日本IBMに入社しました。

入社以来、営業としてソフトウェア製品や製造業のお客様を担当してきました。第二子の育休からの復職を機に職種転換にチャレンジし、部門も変わりました。現在は、IBMコンサルティング事業本部のプロジェクト・マネージャーとして製造業のお客様プロジェクトを担当しています。

Q. なぜ新卒でIBMを選んだのですか?

「技術が好きで人を相手にするのが好き」でしたので「技術を売る営業になろう」と漠然と考えていました。いくつか内定をいただいた会社の中からIBMを選んだのは、作り上げていくものが変わる面白さがありそうだということと、「女性が活躍している会社」という印象があったのが理由です。

Q.入社前後で「女性が活躍している会社」の印象に変化はありましたか?

ありました。入社前と入社当時、さらに今とでは印象が異なります。

入社前は、ランキング等を通じて漠然と「IBMは女性が活躍している会社」という印象を抱いていました。入社当時は、制約なく仕事をしている女性が活躍していた印象です。今は「家庭と仕事を両方行い、制約があっても活躍している女性」が大勢いらっしゃる印象です。

Q.制約があっても活躍している女性が増えた背景には何がありそうですか?

働き方改革が進んだことが大きいと思います。残業をしないわけではありませんが、「みんなで残って提案書を書き、終電間近に帰る」という時代ではなくなってきたのだと思います。制約がある人でも仕事ができる環境や雰囲気になってきたことを感じます。また、当時から積み重ねてきたことが、今の制約があっても活躍できる環境につながっていることを感じます。

Q.「積み重ねてきたこと」について具体的に教えてください。

「積み重ねてきた」とは、言い換えると「経験した世代がいらっしゃる」というのでしょうか。

子育てを経験した方で、管理職や、さらに上位のマネジメント・ロールを担っている方が、大勢いらっしゃいます。私の上司は、女性として20年前に子育てをされた方です。母親の辛さや、苦労を理解してくれる方が近くにいることで助けられている部分が、たくさんあります。

IBMは、創立以来ダイバーシティーを大事にしてきましたが、制度や仕組みを整えるだけではなく、実際に経験してきた方が会社にいらっしゃることで、仕事を続けられている方も大勢いるような気がします。

———

社員向けに実施したアンケートでも「周囲の理解に助けられている」という方が大勢しました。アンケートの結果を共有します。

社員向けアンケート概要
質問①「しばらく仕事を離れるにあたり、心配だったこと、不安だったこと」
質問②「心配や不安を払拭するにあたり、復職後に役に立ったと感じた会社の制度や仕組み」
回答者 産休、育休でしばらく仕事を離れることになった社員50名
結果


Q.大半の方が「復職後の仕事と育児の両立」に不安を抱いていたと回答しています。

私も同様です。復帰した後の生活のイメージが持てず、どうやって1日が回るのか、仕事と育児が両立できるのか、分からないことばかりで不安でした。

Q.何か行ったことはありますか?

休職期間中に、社内外の方々にアドバイスをもらうよう心掛けました。生活のイメージ、何かあったときはどうすれば良いのか、活用できる社内の制度は何か、いろいろなアドバイスが不安の解消につながりました。

そういう方々のアドバイスがなかったら、産休育休を乗り越えられたか分かりません。準備をし、臨めたので、不測の事態にも対処することができたのだと思います。

Q. 9割以上の方が「心配や不安を払拭するにあたり、役に立った制度や仕組み」は「周囲の理解」と回答しています。

私も周囲の理解に助けられています。

先ほどお伝えした上司は、苦労を先回りして理解を示してくれる方です。例えば、子供がいる時にWeb会議に参加していると「かまってほしい」子供が画面に出てきたりします。そうすると「子供ってそうだよね」と、代弁してくれるのです。苦しく言い訳する必要がなく、それだけで精神的に助かっています。

また、プロジェクトの責任者の方も、同じ子育て世代として理解を示してくれています。就業時間外のミーティングを入れないことを徹底しているだけではなく、「もし無理なら引き取るから言ってほしい」と言葉を掛けてくれています。その安心感が、非常に大きいです。子供の発熱等、何かが起こるかもしれないという漠然とした不安が常にあります。ただ「もしもの時に助けてくれる人がいる」そう思えるだけで、心の余裕が全然違います。だからこそ、自分も限られた時間で最大限頑張ろうと思えるのかもしれません。

私だけではなく、部門が異なる方がこれだけ「周囲の理解」に助けられていると答えたのは、それだけ多くのIBM社員が理解を示しているからだと思います。

Q. 理解してくれる方が大勢いるのですね。

いくつか理由がありそうです。1つは上の方が理解してくれていること、2つ目は子育て世代が多いこと、3つ目はそのような空気感、カルチャーが根付いていることでしょうか。

また、社内の様々な取り組み、例えばコミュニティーの存在も大きいと思います。全社横断のコミュニティーだけではなく、所属部門でコミュニティーを作っているところもあります。私が所属するIBMコンサルティング事業本部の製造・流通サービス事業部にも女性コミュニティーがあり、私は現在事務局として様々な活動に関わっています。

Q. 具体的にどのような取り組みを行なっているのですか?

私たちのコミュニティー(IDWC)では、女性の気軽なネットワーク作りを後押しすることを大切にしています。そのために、ランチ会や座談会、講演会の機会を設け、気軽に相談できる環境を作っています。

背景には、ここ数年のコロナ禍の影響で、気軽に雑談を交わすコミュニケーションが激減していることがあります。ちょっとした雑談は、困りごとのヒントが得られたり、周囲の仕事内容や状況が想像できたり、気分転換ができたりと様々なメリットをもたらします。ですがコロナ禍で対面機会が減り、雑談を交わす場が減っています。ですので私たちのコミュニティーでは、「社員同士が打ち解ける場」を提供することを大事にしています。

また、運営メンバーもプロジェクトワークの傍らでこの活動を行っているので、負担になりすぎないように、ゆるやかに活動を進めることを心がけています。

Q. 他にコミュニティーの特徴があれば教えてください。

組織の上の方が、積極的に耳を傾けてくれているのもこのコミュニティーの特徴です。

「コミュニティーの活動を通じて、社員からどのような意見が出たのか、どのような困りごとがあったかをフィードバックしてほしい」と言われています。「支援できることは、どんどんしていきたいし、応援したい」とも言われています。また、実際の課題を聞き、どうアクションを取れるか、考えてくれています。部門の雰囲気を大きく変えるきっかけになったと思います。

Q. 女性が声を上げやすいコミュニティーなのですね。

女性と一口に言っても多様です。お子さんがいらっしゃらない方もいますし、お子さんがいらしても旦那さんと家事や育児を分担できる方、単身赴任の方、実家がすぐ近くにあり支援がもらえる方。また、昇進をしたいと思っているけど制約があって今じゃないと思っている方、そもそも昇進を考えていない等キャリアに対する考え方も違います。その中で、それぞれどのようなサポートを求めているかを吸い上げています。吸い上げた内容を、周囲に伝えていくことも重要です。

また、アンコンシャス・バイアスという言葉があります。「今これを頼んだら大変だろう」と本人が望んでいるものとは違う配慮をしてしまい、昇進の機会を奪ってしまうというのは一例です。一人一人の女性をヒアリングし、サポートしていくことも大事ですが、アンコンシャス・バイアスの存在を、周囲の方に伝えることも重要です。

Q.仕事も忙しいし育児もある。なぜコミュニティーの事務局に加わろうと思ったのですか?

次の世代を助けたいという思いがあり、復職後に事務局に加わりました。私自身、産休育休中にこのコミュニティーの活動に随分助けられました。

事務局に加わることで、メンバー同士、強い繋がりが築けています。また、女性の課題を理解することで、自分が然るべきポジションについた時に、いろいろな悩みがあることをより理解できるのではないかと思います。自分自身のキャリアにとってもプラスになりそうです。

Q.ライフイベントを考慮した上でキャリアを検討したいと思っている方にメッセージをお願いします。

IBMは選択肢が多い会社です。

自分のキャリアやライフステージ、どのタイミングで何を優先したいのか、ライフデザインに合わせてキャリアデザインを一緒に考えてくれる上司が多い会社です。ライフステージに合わせて、今は仕事をセーブしたい。スキルをつけたい。もっとバリバリとやりたい。様々な思いを抱いた社員に対して、頭ごなしに決めつけずに、チャンスをくれる会社です。

Q.最後の質問です。IBMでのキャリアを通じて成し遂げたいことを教えてください。

社会に必要とされる人材でありたいと思っています。そのために、営業とは違う強みを付けられるよう、新しい仕事にチャレンジしています。また、後輩女性のロールモデル、パーツモデルになれたら良いなと思っています。

20代の時は「女性のロールモデル」という言葉にピンとこないものがありました。30代になり私の環境が大きく変わったのを機に、ロールモデルの必要性を痛感するようになりました。結婚や産休育休、それに伴うキャリアの悩みやロケーションの変更等に対して、どのように向き合えば良いのか、先輩や周囲の方が多くのアドバイスをくださいました。どれほど自分にとって役に立ち、励まされたか分かりません。ただ、ロールモデルは1つではないと思います。環境がみなさん少しずつ異なるでしょうから、そのような後輩にとって、ロールモデルの1つ、パーツモデルになれたらと思います。


根本 亮
インタビュー・執筆:根本 亮
Japan Employer Branding Manager
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