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Smarter Business

新規事業創出支援MUFG「Spark X」とIBM Client Engineeringによる共創事例

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キム ヒョンミン

キム ヒョンミン
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBM Client Engineering UX Designer
HCD-Net 認定人間中心設計専門家

多数の大手IT企業でLead UX Designer、Team Managerの経験を積む。UXリサーチ、設計、戦略、UI制作、テスト、リリースまでプロジェクトを推進。UX人材、メンバーの育成、チーム・ビルディングなどのマネジメントを実施。現在IBMで新規事業、事業展開などお客様とデザイン・シンキングを通じて共創しながら課題を見つけ、課題解決や新たな価値を創出している。

 

吉田 翔馬

吉田 翔馬
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBM Client Engineering Business Technology Leader
 

戦略的「共創」部門として立ち上げた事業部において、TechnologyとBusinessの融合と最適化のリードを担う。入社以降、地方銀行・メガ信託銀行の担当営業やアウトソーシング営業として経験を積み、部門立ち上げと同時に参画。これまで一緒に営業活動をする機会がなかったDesignerやData Scientistの新しい知見・視点を踏まえ、お客様との価値共創に向けて日々活動している。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)Spark Xとは

Spark Xは顧客課題・社会課題を起点にボトムアップで新規事業創出をめざすMUFGの横断プログラムとして2022年にスタートしました。2022年11月の第一回Spark X最終審査会では650件を超える応募の中からグランプリが選出され、表彰されたチームは事業立ち上げに向けて動き始めています。

IBM Client Engineeringとの共創実現の背景

2023年度第2回Spark X開催に向けてMUFGのSpark X事務局では、応募者が課題の認識と解決策を具体化するプロセスを疑似体験できる場を提供したいと考えていました。一方、日本IBMではお客様の新規事業や新サービスの立ち上げを推進していくClient Engineering事業部が発足し、MUFGと共創できる領域を探していました。両者の思惑が一致し、Spark X参加希望者にデザイン・シンキング・ワークショップ研修を提供することとなりました。

ワークショップ研修の内容

Spark X応募者が顧客体験の観点から課題と解決策を具体化し、自らが立案する施策を深掘りできることを目標にしました。また応募者同士のチーミングのきっかけ作りという狙いもありました。ワークショップでは参加者を5〜6人のグループに分けて開催することにし、東京で2グループ、大阪で1グループの計3グループとなりました。それぞれのグループでは週に一回のペースで半日程度のワークショップを3回ずつ実施しました。事前にヒアリングした参加者の興味領域を参考に課題設定を行い、解決策の仮設立案と具体化のテーマはそれぞれ「金融教育」「高齢化・介護」「中小企業・ベンチャー企業支援」としました。大きな課題領域から検討を進める具体的な課題を絞り込み、想定顧客を定義しました。ペルソナを設定した上で最も困っている事(ニーズ)を考察、その理想のユーザー体験を描くことで解決策を検討しました。最終日には参加者がそれぞれ作成した解決策のエレベーターピッチを発表してワークショップを完了しました。

ワークショップの様子

ワークショップの様子

研修の成果と参加者の声

受講後アンケートでは参加者の皆様から以下のようなコメント共に高い評価を頂きました。
“顧客課題にフォーカスしたアプローチを体感できた”
“書籍では学べない事を実際の体験を通じて身に付ける事が出来、有意義であった”
“様々な視座で物事を考え、自身の思考のクセを知るきっかけになった”

お客様(Spark X事務局)のコメント

“新規事業創出自体に興味があっても、アイデアを考える上で何から始めたらよいか分からない社員も多いため、実際にアイデア創出・仮説設定を体験できるプログラムを提供したいと検討していた時に、日本IBM様にご提案頂いたのが今回のデザイン・シンキング・ワークショップ研修でした。
ミーティングを重ねる中でSpark Xを深くご理解頂き、元々のワークショップ・コンテンツをかなりアレンジ頂いたことで、参加者の満足度が高いものになり、参加者の多くがSpark X 2023応募をしてくれたことを踏まえ、事務局の狙いも達成できました。
加えて、参加者の内1名が最終審査まで勝ち残っており本研修での学びが実際に活かされているとも感じております。素晴らしい研修をご提供頂き、ありがとうございました。”

IBMとしての今後の展望

Spark Xでの受賞施策をはじめとする検討プロジェクトに対してMVP構築・価値検証を行うチームとして参画させて頂き、MUFGの新規事業創出に寄与していきたいと考えています。

ワークショップ集合写真