S
Smarter Business

3分で読める|ここまで来た、Hyper Automation!

post_thumb

長井 昭史
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部
シニア・マネージング・コンサルタント

日本の先進企業がどのように「ハイパーオートメーション」の取り組みを実施しているかをご紹介します。

ハイパーオートメーションは、ガートナー社が毎年発表する翌年に注目すべき戦略的テクノロジのトップ・トレンドに2020年から3年連続でランクインしており、2022年7月のハイプ・サイクルでは“過度な期待”を通過し、“幻滅期”に入っており、あと2〜5年で“普及期”に到達すると予想されています。

IBMでは、より効果の高い“面での自動化”を実現するためには、ハイパーオートメーションが欠かせない要素であると考えており、企業内に限定せず、顧客や取引先など社内外に範囲を広げた業務改革と捉えています。そして、その実行によって得られたデータを監視・分析することで、改善へと繋げる“フィードバック・ループ”によって更に飛躍します。

自動化範囲を拡大し、AIの徹底活用によるビジネス全体の継続的なプロセス改善

点から線へ、線から面へ移行が実現したポイント

今回ご紹介する事例はIBMが2019年5月から支援し、“点の自動化”から始められたお客様です。現段階では、部分的ではあるものの、お取引先様も含めた業務プロセスを電子化・自動化し、モニタリング・再評価によるフィードバック・ループをしつつあるという状況です。

一般的にはステップアップに苦労されている企業が多く、途中で諦めてしまうケースもありますが、ご紹介する事例で得られた知見をまとめると以下のようになります。

点から線への移行ポイント

  1. 外部の知見を活かし、客観的に投資対効果を説明
  2. 現場マネジメントが推進し、業務本来の目的や組織としての課題解決に着目
  3. デジタルレイバーの保守効率や運用効率のバランスを考慮(初期から必要以上に作りこまない)
線から面への移行ポイント

  1. 効果を早期に刈り取り(実感し)つつ、フィードバックを得ながら改善
  2. 開発したデジタルレイバーは横展開がしやすい計画・推進
  3. LOB(現場業務)側が自分事として取り組める体制づくり

 

年間約5万時間の作業時間削減

2022年9月末時点では36デジタルレイバーが活躍中で66業務を自動化し、年間約5万時間の作業時間削減に到達しています。これは従業員数600名程度という規模の企業様では非常に大きな効果であると考えています。

定量効果としては作業時間削減を統一して集計していますが、自動化によるサイクルタイムやエラー率の低減、自動化以前に業務標準化(手順化)による効率化・高品質化にも取り組み、現場ユーザーのITリテラシー向上にも寄与していると評価いただいています。
そこに至るまでのお客様のチャレンジをIBMは伴走してきました。

ご参考:投資対効果のグラフ投資対効果のグラフ

シリーズで詳細をご紹介

日本国内においてIBMが支援している事例を、今後、複数回に分けてご紹介したいと思います。それぞれを3分で読めるように工夫していきます。

  1. 「点から線への第一歩 」プロセス・マイニングが示す事実に勝る説得材料なし
  2. 「強靭な線へ」請求書業務をすべてつないだデジタルレイバー
  3. 「線を伸ばす」デジタルレイバーの運用も自動化
  4. 「線から面へ」フィードバック・ループによる改善と更なる適用範囲拡大へ

以上、次回以降の詳細解説を楽しみにお待ちいただけますと幸いです。