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Smarter Business

3分で読める「コンテナの現在(いま)」 #2クラウドネイティブ時代の開発への挑戦とコンテナ

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谷口 督

谷口 督
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部
プライベートクラウドサービス・アドバイザリーテクニカルアーキテクト

本シリーズ第1回でもご紹介のとおり、数年前から様々な企業がコンテナの技術検証、そして本番での利用を始めています。今回ご紹介するのは、金融業界のあるお客様が顧客向けの自社Webサイトのアプリケーションでコンテナを利用し、新サービスの迅速な提供を実現された事例です。

事例

Javaで開発した顧客向けサービスを、Red Hat社の提供するエンタープライズ対応のKubernetesコンテナ・プラットフォームであるOpenShiftの上で稼働させました。このサービスは、マイクロサービス・アーキテクチャーを採用しており30以上のコンテナ・アプリケーションから構成されています。このコンテナ・アプリケーション群のビルド、テスト、デプロイの作業は、IBM CloudのContinuous Deliveryサービスを利用して自動化されています。
B2C(Business to Customer:顧客向け)のサービスを提供していく場合、多様なユーザー・ニーズに対応していくためには、新サービスを迅速に提供し続けていくことが必要になります。

この事例でも、オンプレのサーバー環境で運用されていた顧客向けの自社Webサイトのアプリケーションを更改するにあたっては、サービスイン後も新サービスを迅速に提供し続けられることを目標に、2つの取り組みを行いました。

取り組み1
1つ目はマイクロサービス・アーキテクチャーの採用によって、アプリケーションを個別にデプロイできる小さいサービスへ分割ことで、アプリケーションの理解、開発、テストがより簡単に行えるようにしました。また、継続的インテグレーション(CI:Continuous Integration)と継続的デリバリー(CD:Continuous Delivery)を採用することによって、ビルド、テスト、デプロイの作業の自動化を行いました。
いずれもアプリケーション開発の効率化によって、迅速な開発を実現するための取り組みであり、まさにクラウドネイティブ時代の開発をめざした取り組みでした。

取り組み2
2つ目は、1つ目を支える基盤で重要な役割を果たしたコンテナ技術(Red Hat OpenShift)です。コンテナはアプリケーションとライブラリーをパッケージ化して可搬性を持たせているため、個別にデプロイできる小さいサービスへの分割を行うマイクロサービス・アーキテクチャーと親和性が高く、CI/CDを実装する点でも適しています。
また、今回採用されたRed Hat OpenShift on IBM Cloudは、IBM Cloud上で提供されるマネージド・サービスですので、お客様はアプリケーション開発に集中することができます。

まとめ

コンテナ技術(Red Hat OpenShift)は、お客様がユーザーニーズに対応して新しいサービスを迅速に提供し続けていくためのテクノロジーです。コンテナを利用してクラウドネイティブ時代の開発にすでに取り組んでいるお客様がいらっしゃいます。マイクロサービス・アーキテクチャー、コンテナ技術に関心のあるお客様はIBMにお声がけください。