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データから新たな価値を創造するために克服すべき2つの課題

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データから新しい価値を創造するために、アナリティクス、コグニティブ、人工知能などの技術活用が注目されている。IBM Watson、ディープラーニングをはじめとした処理ロジック(アルゴリズム)のブレークスルーが、この注目の原動力であることは間違いないだろう。このアルゴリズムが新しい価値を創造するためのカギを握るのが、データである。

しかし、このデータについての課題を克服できないケースも多く見られる。課題の1つは、必要なデータを獲得できないこと。データがなければ、いかに優れたアルゴリズムも機能しない。もう1つの課題は、データの管理に費用がかかること。データ管理に、価値創造に必要な費用の70%~80%が費やされていることを、果たしてご存知だろうか。

山田 敦
「先進的アナリティクスと最適化」チーム アソシエイト・パートナー

「先進的アナリティクストと最適化」チームのリーダー。併せてデータサイエンティストとして、データ活用によるお客様の変革を多数支援。主な出版物は、データサイエンティスト・ハンドブック(近代科学社、2015年)、『IBMを強くした「アナリティクス」-ビッグデータ31の実践例』(監訳、日経BP社、2014年)。IBM Academy of Technologyメンバー、工学博士

 

新しい価値を創造するためのカギを握るのが、データ

現在、これらデータについての課題を克服するための動きが広がっている。その1つが、データを「買う」動きである。例えばIBMは、The Weather Companyの気象データ、Twitterのデータを、クラウド環境で提供している。最新のデータがすぐに使える状態に維持・管理されているため、必要な時に調達すればよい。また、データを買いたい人、売りたい人を介在する、データのマーケットプレースの動きも見られる。クラウド上にあるデータカタログから、必要なデータを選べる仕組みである。今後データの品揃えが増えれば、活用できる機会も増えそうだ。

 

データの維持管理は専門の会社に任せる

もう1つの動きが、データの維持管理を専門の会社に任せる動きである。近年は、データ基盤の技術が多様化しており、データのサイズや求められる処理スピードに応じて複数の技術を適切に組み合わせることが求められる。また、技術進化のスピードも早い。これらの技術を使ったデータ基盤を自社で構築し管理するよりも、専門の会社に任せたほうが費用・時間の面でメリットがあるという考えからである。

データからの価値創造には、スピードが求められる。データについての課題を克服するため、上記の動きを積極的に活用することを考え始めてはどうだろうか。そうすることで、アナリティクス・コグニティブ技術によるインサイトの導出に、より多くの費用・時間を使えるようになるだろう。

photo:Getty Images