モバイル・セキュリティー

【事例】RGS Nordic社、モバイル資産の完全な可視化とリモート管理を実現

記事をシェアする:

クラウドでのエンドポイント管理により、安全で合理的かつコンプライアンスに準拠したモバイル運用を実現

モバイル・デバイスはワークフローを効率化する強力な手段となります。しかし、一般データ保護規則 (GDPR) のような新たな要件により、企業がそうした資産を常に管理し続けることがかつてないほど重要になってきています。RGS Nordic 社は ADmire 社と協力し、IBM MaaS360 with Watson を導入したことで、デンマークにおける同社の全モバイル・デバイスの 100% の可視化を実現しました。

Business Challenge

モバイル・ソリューションは、RGS Nordic 社のビジネス・プロセスにおいて重要な役割を果たしています。GDPR のような新しい規制が目前に迫るなか、同社は自社のデバイスとデータの管理を強化する方法を模索していました。

Transformation

RGS Nordic 社は ITのアウトソーシング・プロバイダーである ADmire 社と共に IBM MaaS360 with Watson の導入に取り組み、デンマークにおける同社のすべてのモバイル資産の完全な可視化とリモート管理を可能にしました。

Results

セキュリティーの強化 RGS Nordic 社のモバイル・デバイスを一元管理; 実現 デバイスのデータをリモートで消去し、法規制遵守を促進; 80% 高速化 新しいモバイル・デバイスのセットアップ・プロセスの高速化による 運用効率の向上

Business challenge story

モバイル・デバイスを活用して利益を確保
Nordic

デンマークでは毎年、建設・土木プロジェクトだけでも 370 万トンの廃棄物、150 万トンの汚染土壌、25 万トンの産業廃水が排出されます。RGS Nordic 社は、毎年 250 万トンを超える廃棄物をリサイクルできるよう支援することで、スカンジナビアの環境と生態の保全を進めるうえで重要な役割を果たしています。

RGS Nordic 社の IT 部門責任者である Lars Peter Lundstrøm 氏は、次のように述べています。「デンマーク、スウェーデン、ノルウェー各国の企業は、当社の処理センターに建設廃棄物を運び込みます。当社はそれらを浄化し、道路の舗装や防音壁の骨材といった新たなプロジェクトで使用できる材料に変えています」

「当社は比較的利益の少ない業界で事業を展開しているため、厳密なコスト管理が不可欠です。正しく分別されていない廃棄物は、リサイクルできない材料の除去と廃棄に多大な時間を要するため、大幅なコスト増の原因となります」

利益を確保するために、RGS Nordic 社は廃棄物処理センターの 300 人を超える従業員にモバイル・デバイスを支給しました。従業員は顧客が計量台にトラックを乗り入れるたびに、携帯電話で積み荷の写真を撮り、それが申告通りであり、正しく文書化されていることを確認します。

「モバイル・デバイスを使ってビジネス・プロセスをデジタル化することは、コストをコントロールし、効果的に業務を管理するための強力な手段であることが証明されました」と Lundstrøm 氏はコメントしています。「当社がモバイル・デバイスを支給したデンマークの従業員は、業務とプライベートの両方でデバイスを使っていましたが、そうしたデバイスの約 30% しか可視化できていないことが当社にとっての課題でした」

「GDPR のような規制が導入されると、従業員の個人データの管理を厳しくしなければならないことは分かっていました。新たな義務を確実に遵守するため (そして、IT 環境全体のセキュリティーを強化するため)には、モバイル・デバイス管理 [MDM] への強固なアプローチが必要であることも分かっていました」

ADmire 社の協力を得て、当社はデータ・プライバシー規制を遵守し、ビジネス・プロセスのデジタル化を継続的に進めることが可能になりました」

— RGS Nordic 社 IT 部門責任者、Lars Peter Lundstrøm 氏

Transformation story

すべてのエンドポイントに対する厳密な管理の実現

課題を解決するために、RGS Nordic 社は IT アウトソーシング・プロバイダーであり IBM のビジネス・パートナーでもある、デンマークを拠点とする ADmire 社を頼ることにしました。ADmire 社は RGS Nordic 社と協力し、スマートフォン、タブレット、ラップトップなどのセキュリティー管理を簡素化するクラウド・ベースの MDM ソリューションである IBM MaaS360 with Watson を導入しました。

「当初は、当社の レガシーなオンプレミスのインフラをベースにしていたIT サービスの提供、管理、サポートをADmire 社に委託していました」と Lundstrøm 氏は振り返ります。「当社がマネージド・サービス・モデルに移行してからは、ADmire 社はモバイル・デバイスの機器リースからユーザー対応のヘルプデスク・サービスに至るまでのすべてを含む、当社の全 IT 要件に対応するワンストップ・ショップになっています」

Lundstrøm 氏は続けます。「MDM ソリューションを探していることを伝えると、ADmire 社は IBM MaaS360 with Watson が当社のニーズに最適であるとすぐに判断しました。このソリューションは導入と設定が迅速に行えるだけでなく、IBM のグローバルな情報セキュリティーの専門知識によって支えられています。このため、ADmire 社が当社に代わって潜在的なセキュリティーの脅威を迅速に検知し、修正するために、このソリューションを使うことができるという確信を得ることができました」

ADmire 社は RGS Nordic 社と協力して、デンマーク内のすべてのモバイル・デバイスに MaaS360 with Watson クライアントを導入しました。

「ADmire 社は、当社の Android ユーザーと iOSユーザーのコミュニティー向けにクライアントのインストール手順を示すステップバイステップのガイドを用意し、具体的なアップグレード手順を設計しました。」と Lundstrøm 氏は述べています。「インストール過程のどの時点でも、サポートが必要な従業員は ADmire 社のヘルプ・デスクに電話をかけることができるようになっていました。全体的に見て、このプロセスは極めて順調に進んだように思います。数週間にわたる段階的な展開を経て、デンマークのすべての従業員がクライアントのインストールを終えました。これにより、当社は初めて当社の資産である全モバイル・デバイスの完全な管理が可能になったのです」

「当社のモバイル・デバイスに関して IBM MaaS360 with Watson が提供するきめ細かなな洞察力と正確な制御レベルに、強い感銘を受けています」

— RGS Nordic 社 IT 部門責任者、Lars Peter Lundstrøm 氏

Results story

コンプライアンスの推進とセキュリティーの強化

IBM MaaS360 with Watson を使用して一元的にかつ標準化された方法でモバイル・デバイスの管理に取り組むことで、RGS Nordic 社は GDPR のような新しい規制への遵守も実証できると確信しています。

「以前は、当社のデバイスの 30% しか可視化できていませんでしたが、現在は常に 100% のモバイル・デバイスを確認できるようになりました」と Lundstrøm 氏は述べています。「資産管理対象の携帯電話と、支給された従業員との突き合わせも簡単に行えます。従業員が携帯電話を返却した場合には、それをリサイクルしたり、別の従業員に支給したりする前に、それが適切に初期化されており、あらゆる個人データが完全に削除されていることを確認できます。また、従業員が携帯電話を紛失したり、盗難にあったりした場合には、その電源が入った段階で、データをリモートから消去することができます。この新たな MDM 機能は、間違いなく私たちが変化の激しい規制環境に対応するうえで役立ちます」

ネットワーク内のモバイル・デバイスをリモートで管理することによって、RGS Nordic 社は全体的なセキュリティー体制を強化しています。

「各デバイスにインストールされたさまざまなアプリケーションやパッチの全体像を把握できるだけでなく、ADmire 社は積極的にセキュリティー・アップデートの適用を進めることで当社事業とユーザーを潜在的なセキュリティーの脅威から保護することができます」とLundstrøm 氏は述べています。「当社は初めて一貫性のあるガバナンス・ポリシーをモバイル・デバイスに適用できるようになりました。これで、セキュリティーに問題を生じさせる可能性のあるアプリケーションを従業員が携帯電話にインストールすることはできなくなりました」

ADmire 社は デバイスのセットアップ・プロセスを簡素化して、RGS Nordic 社の従業員がより迅速に携帯電話を使い始められるようにしています。

「従業員に携帯電話を支給する際は、従業員が積み荷の画像を撮影し、関連書類を当社の事業所に送信して検証を行うことができるように、従業員に業務用の e-メール・アカウントに接続してもらう必要があります」と Lundstrøm 氏は説明しています。「それまで従業員は、モバイル用の e-メール・クライアントを手動でインストールして、アカウントに接続するには、いくつかの手順を踏む必要がありました。これは、技術に精通したユーザーでなければ、時間のかかるプロセスでした。今では、新しいモバイル・ユーザー用のセットアップ・タスクのほとんどを ADmire 社が実行してくれています。これにより、ユーザーは以前に比べて最大 80% も速く利用を開始できるようになりました」

デンマークでの MDM ソリューションの成功を基に、RGS Nordic 社は IBM MaaS360 with Watson プラットフォームをスウェーデンやノルウェーのユーザーにも拡張する予定です。

「当社のモバイル・デバイスに関して IBM MaaS360 with Watson が提供するきめ細かい洞察力と正確な制御レベルに、強い感銘を受けています」と Lundstrøm 氏は締めくくりました。「ADmire 社とのコラボレーションを基盤として、当社はデータ・プライバシー規制への遵守とビジネス・プロセスのデジタル化の継続において確固たる地位を築いています」

Nordic logo

About RGS Nordic

1990 年に創業し、デンマークのコペンハーゲンに本社を置く RGS Nordic 社は、建設廃棄物および建設廃水の浄化とリサイクルを行っています。デンマーク、スウェーデン、ノルウェーで事業を展開する同社は、35 箇所の処理施設を運営し、年間 250 万トンを超える廃棄物を処理しています。

About AD

デンマークのスコウルネに本社を構える ADmire A/S 社は、IT アウトソーシングを専門とする IBM ビジネス・パートナーです。2007 年に創業した ADmire 社は、モバイル・デバイス管理、エンドポイント管理、ヘルプ・デスクのアウトソーシングを含む包括的なマネージド・サービス・ポートフォリオを提供します。Admire 社の製品とサービスの詳細については、admire.dk をご覧ください。

Solution components

【関連情報】

テレワークの導入検討や拡張要求に情シス部門はいかに対応できるか

【お問い合わせ】

メールでのお問い合わせはこちらから

 

More モバイル・セキュリティー stories
2021-09-28

ゼロトラスト・セキュリティーのハイブリッドクラウドへの拡張

昨今の場所を問わない働き方の変化に合わせて、ハイブリッドワークにおけるセキュアなアクセス方法としてゼロトラスト・セキュリティーが注目されています。組織の多くで検討が進むゼロトラスト・アプローチによるリモートアクセスセキュ […]

さらに読む

2020-09-17

クラウド・ネイティブ時代におけるセキュリティー対策の高度化 Vol.2

テクノロジー活用に向けた組織・プロセスの変革 インフラの自動化と同様に、クラウド・システム開発においても積極的な自動化の仕組みが浸透し、セキュリティー・テストに組み込んで自動化が一般的な慣習になっています。加えて、CI/ […]

さらに読む

2020-09-17

クラウド・ネイティブ時代におけるセキュリティー対策の高度化 Vol. 1

クラウド・ネイティブ時代に求められるセキュリティー対策とは 過去数年にわたり、企業におけるITシステムの選択として「クラウドファースト」が浸透し、基幹システム等の重要システムをクラウドに移行するケースも一般化してきました […]

さらに読む