DB2 10.5 for Linux, UNIX, and Windows

db2support コマンドを使用した環境情報の収集

DB2® の問題に関する情報を集めるとき、実行すべき最も重要な DB2 ユーティリティーは db2support です。 db2support コマンドは、DB2 とシステムのあらゆる診断情報を自動的に収集します。さらに、オプションとして、問題の状況について問い合わせる「質問と回答」形式の対話も可能です。

このタスクについて

db2support ユーティリティーを使用すると GET DATABASE CONFIGURATION FOR database-name または LIST TABLESPACES SHOW DETAIL のようなコマンドを手動で入力する必要がないため、ユーザー・エラーを未然に防ぐことができます。 さらに、どの特定のコマンドを実行するか、どのファイルを収集するかを指示する必要がないため、データの収集をより短時間で行うことができます。

手順

タスクの結果

db2support がどのような情報をキャプチャーするかは、コマンドを呼び出す方法、データベース・マネージャーが開始済みかどうか、およびデータベースに接続できるかどうかによって異なります。

すべての状況において、db2support ユーティリティーは以下の情報を収集します。
  • db2diag ログ・ファイル
  • すべてのトラップ・ファイル
  • ロック・リスト・ファイル
  • ダンプ・ファイル
  • さまざまなシステム関連ファイル
  • さまざまなシステム・コマンドからの出力
  • db2cli.ini
  • db2dsdriver.cfg
さらに、状況に応じて、db2support ユーティリティーは以下の情報も収集することがあります。
  • アクティブ・ログ・ファイル
  • バッファー・プールと表スペース (SQLSPCS.1SQLSPCS.2) の制御ファイル (-d オプションを使用した場合)
  • db2dump ディレクトリーの内容
  • より詳しいシステム情報 (-s オプションを使用した場合)
  • データベース構成の設定値 (-d オプションを使用した場合)
  • データベース・マネージャーの構成設定ファイル
  • First Occurrence Data Capture (FODC) 情報 (-fodc オプションと -fodcpath オプションを使用した場合)
  • ログ・ファイルのヘッダー・ファイル (-d オプションを使用した場合)
  • リカバリー履歴ファイル (-d オプションを使用した場合)
  • SYSIBM.SYSTABLES システム・カタログ表、SYSIBM.SYSINDEXES システム・カタログ表、および SYSIBM.SYSDATAPARTITIONS システム・カタログ表のフォーマット済みデータ (-d オプションを指定されており、データベースが活動化されておらず、かつ db2support コマンドがオプティマイザー・モードではない場合)
  • オプティマイザー・モードでのワークロード・マネージャー (WLM) 関連情報 (-wlm オプションを使用した場合)
  • 指定されたシステム・ユーザー情報 (-su オプションを使用した場合)
  • 指定されたシステム・グループ情報 (-sg オプションを使用した場合)
db2support ユーティリティーは、DB2 pureScale 環境で次の情報を収集します。
  • クラスター・マネージャー、クラスター・ファイル・システム、uDAPL など、DB2 pureScale コンポーネントの診断データ
  • クラスター・マネージャーの追加の診断データ (-cm オプションを使用)
  • クラスター・ファイル・システムの追加の診断データ (-cfs オプションを使用)
  • uDAPL の追加の診断データ (-udapl オプションを使用)
  • 追加の DB2 診断データ (-purescale オプションを使用)
HTML 形式のレポート db2support.html には、常に以下の情報が含まれます。
  • 問題記録 (PMR) 番号 (-n を指定した場合)
  • オペレーティング・システムおよびレベル (例えば AIX® 5.1)
  • DB2 リリース情報
  • 32 ビット環境かそれとも 64 ビット環境かの標識
  • DB2 インストール・パス情報
  • db2nodes.cfg の内容
  • プロセッサーの数、ディスクの数、メモリー容量
  • インスタンスにあるデータベースのリスト
  • レジストリー情報と環境 (PATH および LIBPATH を含む)
  • 現在のファイル・システムのディスク・フリー・スペースおよび UNIX の i ノード
  • Java™ SDK のレベル
  • Java JCC バージョン
  • Java JCC 構成
  • データベース・マネージャー構成
  • sqllib ディレクトリーの ls -lR 出力 (または Windows でこれに相当するもの)
  • LIST NODE DIRECTORY コマンドの結果
  • LIST ADMIN NODE DIRECTORY コマンドの結果
  • LIST DCS DIRECTORY コマンドの結果
  • LIST DCS APPLICATIONS EXTENDED コマンドの結果
  • db2prereqcheck コマンドの結果
  • すべてのインストール済みソフトウェアのリスト
  • DB2 ライセンス情報
  • DB2 準拠レポート
  • 監査構成情報
  • CLI 構成情報
  • 問題判別の設定値
  • db2trc コマンドの状況
  • ログ・ディレクトリーのリスト表示
DB2 データベース・マネージャーが開始済みの場合には、以下の追加情報が db2support.html ファイルに含まれます。
  • クライアント接続の状態
  • データベース構成とデータベース・マネージャー構成 (データベース構成を含めるには -d オプションが必要です)
  • アプリケーションのスナップショット
  • メモリー・プールの情報 (サイズと使用量)。-d オプションを使用すると、詳細なデータが収集されます。
  • LIST ACTIVE DATABASES コマンドの結果
  • LIST DCS APPLICATIONS コマンドの結果
データベースへの接続が正常に確立されたとき、db2support.html ファイルに次の情報が含まれます。
  • ユーザー表の数
  • データベース・データのおおよそのサイズ
  • データベースのスナップショット
  • アプリケーションのスナップショット
  • バッファー・プール情報
  • LIST APPLICATIONS コマンドの結果
  • LIST COMMAND OPTIONS コマンドの結果
  • LIST DATABASE DIRECTORY コマンドの結果
  • LIST INDOUBT TRANSACTIONS コマンドの結果
  • LIST DATABASE PARTITION GROUPS コマンドの結果
  • LIST DBPARTITIONNUMS コマンドの結果
  • LIST ODBC DATA SOURCES コマンドの結果
  • LIST PACKAGES/TABLES コマンドの結果
  • LIST TABLESPACE CONTAINERS コマンドの結果
  • LIST TABLESPACES コマンドの結果
  • LIST DRDA IN DOUBT TRANSACTIONS コマンドの結果
  • DB2 ワークロード・マネージャー情報
  • データベース・リカバリー履歴ファイルのリスト
  • オプティマイザーのデータベース構成
  • データベース構成
  • ノード・グループ情報
  • ストレージ・グループ情報
  • ストリング ID の数
  • 表のリスト

db2support.html ファイルが db2support パッケージの最上位に含まれており、db2support コマンドによって収集される診断データを素早く検索できます。 この HTML ファイルには、db2support.html ファイルで収集されたデータのリンクが含まれます。リンクの参照先となる対応するフラット・ファイルは、db2support パッケージのサブディレクトリーにあります。 db2support.map という名前の、マップ・ファイルのプレーン・テキスト・バージョンのファイルも、db2support パッケージに含まれています。

db2support.zip ファイルの内容の例

-unzip パラメーターを指定した db2support コマンドを使用して、db2support.zip ファイルの内容をローカルに抽出できます。オプションで内容の抽出先のディレクトリー・パスを指定できます。-unzip オプションを使用して、アーカイブされた診断データの内容を抽出することもできます。その際、追加のソフトウェアは必要ありません。実際の内容を抽出せず、db2support.zip ファイルに組み込まれているファイルを確認するだけの場合は、代わりに -unzip list パラメーターと db2support コマンドを併用できます。

db2support.zip ファイルの内容の例の場合、以下のコマンドが実行されました。
db2support . -d sample -c -f -st "select * from staff"
db2support.zip ファイルが解凍される際、以下のファイルとディレクトリーが収集されました。
  • DB2CONFIG/ - 構成情報 (例えば、データベース、データベース・マネージャー、BP、CLI、および Java Developer Kit)
  • DB2DUMP/ - db2diag ログ・ファイルのここ 3 日間の内容
  • DB2MISC/ - sqllib ディレクトリーのリスト
  • DB2SNAP/ - DB2 コマンド (例えば、db2setLIST TABLESLIST INDOUBT TRANSACTIONSLIST APPLICATIONS など) の出力
  • PURESCALE/ - クラスター・マネージャー、クラスター・ファイル・システム、uDAPL などの、DB2 pureScale コンポーネントの診断情報
  • db2supp_opt.zip - オプティマイザー問題の診断情報
  • db2supp_system.zip - オペレーティング・システム情報
  • db2support.html - HTML フォーマットでリストされた db2support.zip ファイルの各サブディレクトリーで収集されたフラット・ファイルへのマップ、および HTML セクションにフォーマットされた診断情報
  • db2support.log - db2support 収集の診断ログ情報
  • db2support_options.in - db2support 収集を開始するために使用されるコマンド行のオプション
  • db2support.map - プレーン・テキスト・フォーマットでリストされた db2support.zip ファイルの各サブディレクトリーで収集されたフラット・ファイルへのマップ
オプティマイザーに関する情報は、db2supp_opt.zip ファイル内にあります。このファイルの解凍は、以下のディレクトリーにあります。
  • OPTIMIZER/ - オプティマイザー問題の診断情報
  • 変更の始まりOPTIMIZER/optimizer.log - ファイルにすべてのアクティビティーのログが含まれます。db2support でメッセージ (DBT7116E など) が出される場合は、このログ・ファイルに詳細情報が含まれていることがあります。変更の終わり
  • OPTIMIZER/CATALOGS - 以下のサブディレクトリー内の LOB を含むすべてのカタログ (カタログ表内の LOB 列が空でない場合のみ生成される)
    • FUNCTIONS
    • INDEXES
    • NODEGROUPS
    • ROUTINES
    • SEQUENCES
    • TABLES
    • VIEWS
  • OPTIMIZER/DB2DUMP - db2serv 出力 (serv.* および serv2.* 出力ファイル)
システム情報は、db2supp_system.zip ファイル内にあります。このファイルの解凍は、以下のファイルおよびディレクトリーにあります。
  • DB2CONFIG/ - db2cli.ini (~/sqllib/cfg のファイル)
  • DB2MISC/ - DB2SYSTM ファイル (バイナリー) など
  • OSCONFIG/ - さまざまなオペレーティング・システム情報ファイル (例えば、netstatservicesvfsulimit、および hosts)
  • OSSNAP/ - オペレーティング・システム・スナップショット (例えば、iostatnetstatuptimevmstat、および ps_elf)
  • SQLDBDIR/ - 重要なバッファー・プール・メタファイル (~/sqllib/sqldbdir)
  • SQLGWDIR/ - DCS ディレクトリー (~/sqllib/sqlgwdir のファイル)
  • SQLNODIR/ - Node ディレクトリー (~/sqllib/sqlnodir のファイル)
  • SPMLOG/ - ~/sqllib/spmlog のファイル
  • report.log - すべての収集アクティビティーのログ